【マーベルMCU】『ソー:ラブ&サンダー』ネタバレあり感想&考察|喪失を越え、ソーが最後に選んだ「愛」

こんにちは、ゆーです!
今回は、映画『ソー:ラブ&サンダー』についてお届けします!
家族を失い、仲間を失い、故郷を失い、そしてサノスとの戦いでは自分自身を見失うほど傷ついたソー。
それでも『エンドゲーム』を経て再び立ち上がり、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとともに宇宙へ旅立った彼が、今作で向き合うことになるのは“愛”でした。
元恋人ジェーンとのまさかの再会。
しかも彼女は、かつて砕かれたはずのムジョルニアを手に、“マイティ・ソー”となっている。
ストームブレイカーとの謎の三角関係、叫び続けるヤギ、ガーディアンズとのハチャメチャな戦いなど、これでもかというほど笑わせてくれる一方で、物語が進むにつれて明らかになるジェーンの病。
そして最後にソーとジェーンが選んだものを見ていると、この映画のタイトルがなぜ『ラブ&サンダー』なのか、改めて分かったような気がしました。
これは神々と“神殺し”ゴアの戦いであると同時に、数え切れないほどの喪失を経験してきたソーが、もう一度誰かを愛し、新しい人生へ踏み出すまでの物語だったのかもしれないな、と思っています。
https://marvel.disney.co.jp/movie/thor-love-and-thunder
笑って、最後にはしっかり泣かされました…。物語を振り返りつつ、感想&考察をお届けします~!
NEW




























概要・あらすじ(ソー:ラブ&サンダー)
| 公開日 | 米・日:2022年7月8日 | ||
|---|---|---|---|
| 監督 | タイカ・ワイティティ | ||
| 制作 | ケヴィン・ファイギ | ||
| 時間 | 119分 | ||
「アベンジャーズ/エンドゲーム」の激闘後、多くの仲間を失ったソーはガーディアンズと地球を後にしていた。そんな彼らのもとに、宇宙各地の神が殺されているという情報が入る…。ソーは次の標的がニュー・アスガルドであることを知り駆けつけるが、突如“神殺し”のゴアが襲いかかる。だがその時、新たな“マイティ・ソー”に姿を変えた元恋人ジェーンが現れる。そしてその手には、最強のハンマー〈ムジョルニア〉が…!?2人のソーによる破壊力2倍のロック・バトル・アドベンチャーを見届けよ!
https://marvel.disney.co.jp/movie/thor-love-and-thunder
お気に入りの作品を観返すのはもちろん、新しい物語との出会いも!
映画『ソー:ラブ&サンダー』を振り返る
以下より物語のネタバレを含みます
①ソー節全開!派手なアクション・コメディ
MCUのヒーローの中でもとりわけ悲劇に見舞われ、大切な人たちも、故郷も失うというヘビーな背景を持つソー。
その不幸っぷりはワンダに匹敵するほどだな…と思いますが、ワンダと大きく異なるのは、ソー自身の根がとにかく明るいこと!
今作でもソーはかなり悲劇的な事態に直面することになるわけですが、ソー自身が持つぶっ飛んだ明るさに引っ張られるコメディシーンの数々に、たっぷり笑わせていただきました~!
ガーディアンズとのコラボが最高
冒頭、『エンドゲーム』のラストで描かれていたように、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々と一緒に旅をすることになったソーが、とにかくハチャメチャなアクションで宇宙にいる人々を救っていきます。
ガーディアンズのメンバーが瀕死の状態に陥ってから、ようやく重役出勤するソー。
そこからとんでもないパワーで、たった一人で敵を完膚なきまでに打ちのめし、「これは皆でつかんだ勝利だ!」と笑顔で演説。
その裏では、守るはずだった神殿が全部崩壊している……。
何のギャグですか、もう最高です。笑
ガーディアンズのメンバーがそんなソーを見て心底呆れ返っているというか、もはや色々と諦めている様子も面白いですし、ネビュラがずっとガチギレしているのも最高。
無事(?)に敵を蹴散らしたお礼として“叫びまくるヤギ”をもらった…というより押し付けられた後のやり取りも面白かったですね…。
すぐヤギを物理的に黙らせようとしないで、ガーディアンズのみんな。危機を察した瞬間に黙るヤギにも爆笑です。笑
その後、レディ・シフの窮地を知ったことで、ソーは別の救援信号へ向かうガーディアンズ組と別れることになります。
見ているこちらとしては、意外とお別れが早くて寂しかったですね…。
ぜひ“アスガーディアンズ”の冒険は、何らかのスピンオフなどで永遠に見ていたいです。面白かった。
神々の街で大暴れ
そんなソーは、後にマイティ・ソーとなった元恋人のジェーン、ヴァルキリー、コーグとともに神々の街を訪れることになります。
しかし、ここでも神々の頂点に立つゼウスを相手に大暴れ。
まあこのシーンにおいては、ゼウスがなかなかに酷い言動を繰り返していたので、「良いぞソー、やったれ!!」という気持ちではありますが、最終的にはゼウスの稲妻を奪って反撃することになるとは…。笑
さすがにゼウスさんをそんな扱いにしてしまっては、いくらなんでもブチギレられるのでは…?と内心ヒヤヒヤしながら見ていたら、見事にミッドクレジットシーンで回収。
ああ、言わんこっちゃない…という気持ちになります。←
ただまあソーのことですから、仮にヘラクレスに襲われても全力で戦うでしょうし、その結果ヘラクレスがソーの明るさに当てられて、いい感じに和解する…なんてこともありそうです。
新旧相棒の嫉妬(?)にニヤリ
そんなソーが振るうのは、『インフィニティ・ウォー』の際に作り出した武器、ストームブレイカー。
ところが物語中盤でマイティ・ソーとなったジェーンが、かつて粉々になったムジョルニアに選ばれ、それを自在に振るう姿を見たソーは、ムジョルニアへの未練をあらわにしていきます。
「元気にしていたか?」「俺よりジェーンのほうが良いのか」とねちっこくムジョルニアに話しかけるソー。
そんなソーの元に、すーーっとストームブレイカーが近寄ってきて圧をかけてくる。
ムジョルニア、ストームブレイカー、ソー。
何なんでしょうかね、この三角関係は。笑
圧をかけてきたストームブレイカーに対してソーが「いやいや、お前が一番だから!」と言ってやると、満足したとばかりに落ち着く様子もまた面白い…。
ジェーンとソーという元恋人同士の話を描いているかと思いきや、元愛用武器に現愛用武器が嫉妬するという謎展開が描かれましたね。笑
ムジョルニアも、ストームブレイカーも、そんなに自我のある武器だったのね…。
②ソーとジェーン、2人が最後に選んだ“愛”
そんな今作を語るうえで絶対に欠かせないのが、ソーとジェーン。
『マイティ・ソー』『ダーク・ワールド』の後にソーとジェーンが別れてしまったと聞いたときはかなり残念だったのですが、まさかこんな形で再会&共闘することになるとは…!
恋人だったジェーンと彼女の今
天才物理学者であり、かつてソーの恋人だったジェーン・フォスター。
『マイティ・ソー』では、自身の傲慢さゆえに地球へ追放されたソーと出会い、恋に落ち、『ダーク・ワールド』ではアスガルドまで訪れて一緒に戦った過去を持ちます。
そんな彼女が、まさかステージ4のがん、ときましたか……。
かつてジェーンへの想いを語ったソーに、父オーディンが「人間はアスガルド人とは寿命も違い、病気にもなる」という現実を突きつけていましたが、ここにきてその違いがこれほど残酷な形で表れるとは想定外。
ジェーンはS.H.I.E.L.D.にぐいぐい物申したり、ソー相手にも物怖じせず行動したりと、“強い”姿を何度も見せてくれたキャラクター。
だからこそ、病魔に侵されて弱っている姿を見るのは、こちらも辛いものがあります。
そんな彼女だからこそ、ムジョルニアもジェーンを選んだし、ジェーンもまたムジョルニアを振るうことができたのだろうな、と妙に納得してしまいます。
“元”恋人ならではのぎこちなさも丁寧に描く
ニュー・アスガルドでジェーンとソーは数年ぶりの再会を果たしますが、これがまたもう信じられないくらい、ぎこちない。
何年も会っていなかったことや、ジェーンがマイティ・ソーとして登場したこともそうですが、それ以上に別れ際のすれ違いが相当尾を引いているようです。
お互いに仕事が忙しく、お互いを心配するあまり、それぞれが自分の仕事に打ち込んでしまい、それが原因で少しずつ溝ができていく。
この経緯が非常にリアル。
長い間付き合ったカップルが別れるときって、本当にこういう感じだよな…と、しみじみ思わせられます。←
ソーとジェーンが最後に行き着いた答え
そんな2人が、ぎこちなさを抱えながらも共闘し、かつてお互いに抱いていた愛情を思い出し、もう一度確かめ合っていく。
その姿はとても美しく、だからこそ最後の別れは本当に辛いものになりましたね…。
ムジョルニアを振るってマイティ・ソーとして戦うことが、自身の治療を妨げ、命を縮めてしまうと分かったジェーン。
それでもソーが危機に陥ったとき、ジェーンは再びムジョルニアを手に取り、戦うことを選択しました。
一方のソー。
“すべての神々を抹殺する”という願いを叶えるべくゴアが“永久”へたどり着いたとき、ソーはゴアを倒すことよりも、残された時間をジェーンに寄り添うことに使いました。
ジェーンも、ソーも、最後は愛を選んだ。これがもう、本当に良かった。
ジェーンは、残された命をただ延ばすのではなく、大切な人を守るために戦うことを選んだ。
ソーは、世界を救うためにひたすら戦い続けてきた自分から一度離れ、目の前にいる大切な人と過ごすことを選んだ。
途中のコミカルなやり取りも、そのぎこちなさも、すれ違っていた時間も、すべてをひっくるめて最後のシーンはもう涙が止まらなくなりました…。
③シリーズ4作品目で迎える、ソーの成長と変化
さて、今作はソーの単独作品としてシリーズ4作品目。
これまでのシリーズでは、ソーのありとあらゆる面での成長と変化が描かれてきましたが、今作は特に“喪失からもう一度立ち上がること”に重点が置かれていたように感じます。
物語の冒頭でも振り返られていましたが、とにかくソーはこれまで散々な目に遭っています。
母親を亡くし、父親を亡くし、弟ロキとの別れを何度も経験し、故郷アスガルドを失い、さらに民の多くを失った。
そしてサノスへの復讐にも失敗し、自分なら止められたはずだという後悔を抱えることになりました。
後に『エンドゲーム』でサノスには勝利したものの、失ったものが戻ってくるわけではありません。
ガーディアンズのメンバーとともに宇宙を旅しながらも、埋めようのない心の穴を抱えていることが描かれていました。
いやもう、本当に、そりゃそうだろ、としか言いようがないレベルの不幸。
むしろここまでの喪失を経験してもなお、完全に闇落ちしていないソーが異常なくらい。
“強さ”に逃げ込んでいたソー
そんなソーが、心の穴を埋めるように続けていたのが、これまでずっとやってきたこと…そう、戦いです。
これだけの敗北と喪失を経験したとはいえ、ソー自身が規格外に強いことは変わりません。
今作冒頭のソーは、その戦いにおける“強さ”に、ある意味で依存していたようにも思います。
そんなソーの前に現れるのが、かつて砕かれてしまったムジョルニアを振るい、自分と同じ“ソー”の名を持つ元恋人ジェーン。
“強さ”を拠り所にしていたソーにとって、その姿は相当アイデンティティを揺るがすものだったんだろうな…と思います。
ニュー・アスガルドでの戦いが始まった当初は、「やっぱりこれが俺だよね~!」と言わんばかりに生き生きと戦っていたソー。
ところが、自分と同じように雷の力を操り、しかも砕けたムジョルニアを巧みに使いこなす“もう一人のソー”が登場する。
「ムジョルニアを持ち、雷の力を使える」ということが唯一無二だったソーにとって、それを根底から揺るがす存在です。
ましてや、その正体はかつて気まずい別れ方をした元恋人。
ソーにとっては試練以外の何物でもないですねこりゃ……。
“自分だけが強い”必要はない
ところが、そんなソーが今作での出来事を経て少しずつ変わっていきます。
ジェーンやコーグ、ヴァルキリーとの会話。
神の先達として見ていたゼウスへの失望。
そして、ゴアとの対峙。
それらを経て、ソーの中では“自分だけが唯一無二に強くなければならない”ということが、だんだん大したことではなくなっていったのではないでしょうか。
特に物語の終盤。
自分の愛するジェーンが、命を縮めると分かっていても、自分自身で選んでムジョルニアを手に取り、ソーのもとへ駆けつける。
ソーは彼女を無理やり止めるのではなく、その選択を受け入れます。
数々の悲劇と喪失を経て、自らの唯一無二の強さを拠り所にしていたソー。
でも、その強さが唯一無二でなくても、そんなことで自分自身の価値が失われるわけではない。
だからこそ最後のゴアとの決戦では、子どもたちに自らの力を分け与え、一緒に戦うことができたんだろうなと思います。
冒頭のガーディアンズとの戦いと大違い…!
冒頭では仲間が苦戦しているところへ一人で現れ、圧倒的な力ですべてを片付けていたソー。
それが最後には、自分の力をほかの人たちへ与え、みんなで戦った。
自分一人で強くあることではなく、誰かを愛し、誰かを信じ、その強さを分かち合えること。
何かに、誰かに依存するのではなく、ソーはソーとして前へ進んでいく。
そんな新しい強さを見せてくれたような気がしました…!
そして最後には、ゴアが残した娘“ラブ”とともに戦うソーの姿が描かれます。
多くの家族を失い続けてきたソーが、今度は自分が誰かに愛を与える側になる。
そんな風に変わったソーが、今後『ラブ&サンダー』として一緒に切り開いていく未来が早くも楽しみです…!
総合的な感想
ソーの単独シリーズとして4作品目となる『ソー:ラブ&サンダー』。
これまでのシリーズで描かれてきたソーの喪失と悲劇に一つの区切りをつけ、彼が新たな道へ進む節目となる作品だったなと思います。
何より、ふっと笑えるコメディと、しっかり泣かせてくれるシーンとの振り幅とそのバランス感が凄い。
派手なアクションシーンに心を躍らせ、ソーが巻き起こす出来事や会話の面白さに笑い、登場人物同士の対話にじーんと胸を震わせる。
そんな盛りだくさんの約2時間で、非常に贅沢な作品だと思います。
でも、改めて物語全体を振り返ってみると、この作品はタイトル通り“愛”の物語だったのだと思います。
大切な人を失うことを恐れながらも、もう一度ジェーンを愛することを選んだソー。
残された時間をただ生き延びるのではなく、自分の意思で戦い、最後までソーを愛したジェーン。
神々に裏切られ、娘を失ったことで“愛”を失い、神々への復讐に取り憑かれてしまったゴア。
そして最後には、そのゴア自身も復讐ではなく娘への愛を選びます。
ソーも、ジェーンも、ゴアも。
それぞれ全く違う道を歩いてきた3人が、最後にたどり着いた答えは“愛”だった。
そしてソーは、今度こそ喪失だけを抱えて生きていくのではなく。
ジェーンを失った悲しみも、これまでに失ってきた家族や仲間たちへの想いも背負いながら、新たに“ラブ”と生きていくことになります。
背中には、失った弟ロキへの想いも刻まれていることが明かされました。
ちょっとギャグ味のある入れ墨だったけどもね…!笑 弟LOVEすぎるよ、ソー兄貴。
ソー本人は知る由もありませんが、別の時間軸を歩んだロキもまた、ソーとは全く違う場所で自分自身の道を選んでいます。(ドラマ『ロキ』)
いつか何らかの形で、もう一度この兄弟が相まみえる瞬間があったら良いなあ…。
その日を期待しながら、これからのソーとラブの物語も楽しみに待ちたいと思います!
まとめ
今回の記事では、映画『ソー:ラブ&サンダー』について、ネタバレありで感想&考察をお届けしました。
- 『エンドゲーム』後、ガーディアンズと宇宙を旅するソーのその後を描いた物語
- 元恋人ジェーン・フォスターがムジョルニアに選ばれ、“マイティ・ソー”として再登場!
- 神々を殺すゴアとの戦いを軸に、ソーとジェーンの愛と再会、そして別れが描かれる
- ガーディアンズ、叫ぶヤギ、ムジョルニアとストームブレイカーの嫉妬など、コメディも全開
- ジェーンは自らの命が縮むと知りながら戦うことを選び、ソーも最後には戦いよりジェーンへの愛を選ぶ
- 数々の喪失を経験したソーが、“自分だけの強さ”への依存から抜け出していく成長物語でもある
- ソー、ジェーン、そしてゴア、それぞれが最後に“愛”を選ぶ物語
- 物語の最後にはゴアの娘“ラブ”とソーが新たな家族となり、2人の新しい冒険が始まる
母を失い、父を失い、弟を失い、故郷を失い、仲間を失い。
これまでのソーの物語は、振り返ってみれば“喪失”の連続です。
だからこそ今作で、再び誰かを愛することを恐れず、ジェーンと向き合うことができたこと。
そしてジェーンとの別れを経験しても、再び心を閉ざすのではなく、今度はラブに愛を注ぎながら生きていくことを選んだこと。
そこに、ソーというキャラクターの大きな成長が感じられましたね…!
強いからソーなのではない。
誰かを愛し、失う痛みを知り、それでもまた誰かを愛することができる。
そんなソーだからこそ、これから始まるラブとの物語もきっと面白く素敵なものになるだろうなあ、と思います!


