【マーベルMCU】『シャン・チー/テン・リングスの伝説』ネタバレあり感想&考察|家族の愛と宿命を描く、新ヒーロー誕生の物語

こんにちは、ゆーです!
今回は、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』についてお届けします。
最初に見たときは「武術を使う新ヒーローのオリジン作品」という印象だったのですが、改めて見てみると、これが想像以上に“家族”の物語であることに気が付きます。
父から叩き込まれた武術、母から受け継いだ力、離れてしまった妹、そして愛する妻を失ったことで道を踏み外してしまった父・ウェンウー。
迫力満点のアクションやテン・リングスの謎、ター・ローに暮らす伝説の生き物たちなど、とにかく盛りだくさん。
それでも最後まで物語の中心にあるのは、シャン・チーと家族の“愛”でした。
今回そんな物語を振り返りながら、映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の感想&考察をネタバレありでお届けします!
https://marvel.disney.co.jp/movie/shang-chi
父から受け継いだものと母から受け継いだもの、その両方を自分の力にして戦うシャン・チーが本当に良い…!物語を振り返りつつ、感想&考察をお届けします~!






























概要・あらすじ(シャン・チー/テン・リングスの伝説)
| 公開日 | 米・日: 2021年9月3日 | ||
|---|---|---|---|
| 監督 | デスティン・ダニエル・クレットン | ||
| 制作 | ケヴィン・ファイギ | ||
| 時間 | 132分 | ||
アメリカ・サンフランシスコで平凡なホテルマンとして暮らすシャン・チー。彼には、かつて父が率いる犯罪組織で最強の武術を身に付け、組織の後継者になる運命から逃げ出した秘密の過去があった...。しかし、悪に染まった父が伝説の腕輪《テン・リングス》を操り世界を脅かす時、彼は宿命の敵となった父に立ち向かうことができるのか...?世界の未来をかけた壮大な戦いが、いま始まる!
https://marvel.disney.co.jp/movie/shang-chi
お気に入りの作品を観返すのはもちろん、新しい物語との出会いも!
映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』を振り返る
以下より物語のネタバレを含みます
①シャン・チーという人物
MCUシリーズの中でも、久しぶりとなる新ヒーローの単独作品!
既存のヒーローたちの続編を見るのももちろん楽しいのですが、こうやって新たなヒーローが誕生する瞬間を目の当たりにするのも楽しいもの。
そして今作の主人公、シャン・チーと彼を取り巻く人々がまあ魅力的で、とっても良かった!
壮絶な過去とシャン・チーの今とのギャップ
まず、シャン・チー本人について。
サンフランシスコで平凡なホテルの駐車係として働き、温厚で気の良い性格。
荒事とは対極に位置していそうな人物なのに、バスで襲撃を受けるやいなや、キレッキレの武術で敵を圧倒するそのギャップが凄い。
「この人見てよ、喧嘩しそうに見える?」と言われた直後に、圧倒的な実力でねじ伏せる、という展開。
大好物ですね本当に。←笑
シャン・チーは実は世界的犯罪組織のボスを父親に持ち、母親の死後は幼少期から徹底的に殺しのための武術を叩き込まれていた…という壮絶な過去を持つ人物。
そんな運命から一度は逃げ出したものの、結局は再び過去に絡め取られていくわけです。
個人的に、新しいヒーローの誕生を描く作品では「主人公が訓練し、徐々にヒーローとしての力を身につけていく」というトレーニングシーンがあるタイプが好きなんですが、今作のように主人公があらかじめトレーニング済みのケースも、これまた良い。
特に今作は、最初から主人公の戦闘能力が高いおかげで、それ以外の要素を深く描く時間が確保されていて、全体としてのテンポが非常に良い作品だったな~と思います!
アイテム(今作では“テン・リングス”)を身につける前から素の能力が高いタイプのヒーロー!
ケイティとのコンビが良い!
そんなシャンとケイティとの関係が、すこぶる良い!
男女間の、シンプルな“友達!”という感じの友情が描かれるシャンとケイティ。
高校時代からの友達で、職場も一緒。一緒に飲みに行ってカラオケで夜を明かす…という、学生時代からの友人とずっとそのノリで楽しんでいる感じがものすごーくよく伝わってきて最高でしたね。
MCUで男女のコンビが描かれることは何度かありましたが、例えばクリントとナターシャは“仕事仲間”という感じでしたし、トニーとポッツやスコットとホープは恋愛関係。
こういう「ザ・友人!」みたいな関係性は、意外と珍しいような気がします。
今回の戦いを経て、シャンの過去も、そのしがらみも、それを乗り越える姿も、すべてそばで見届けたケイティ。
ここから恋愛関係になったりするのかな?と思って見ていたら、ラストでも相変わらずカラオケオールを決めていますし、なんかもうこの2人はずっとこんな感じなんだろうなあ、と。いい意味で変わらない明るい未来が見えますね。笑
恋愛関係になろうとなかろうと、この2人にとってはどちらでもよく、いつも通りの空気感は変わらない気がします。
良いなあ、このコンビ!
妹との関係がまた熱い
そしてマカオで登場するシャンの妹、シュー・シャーリン。
シャンに置いていかれたことで「私には兄は要らない」と心を決め、戦闘能力も自力で高めた、ザ・強い女性。
その強さは口だけではなく、実戦でも八面六臂の活躍をしますし、ラストではシャンと一緒に龍の背にまたがって戦いますし、圧倒的な実力が伴っているのが非常に良い。
ラスト、テン・リングスを解体するとシャンに言われて故郷に残っていたシャーリンですが、実際にはテン・リングスの新たなリーダーとなっていたあたり、さすがです。
男女の隔たりなく訓練を行ったり、自分好みのペイントアートを施したりと、完全に組織を自分のものとして作り変えている様子も素晴らしいですね。笑
エンドクレジットでは「テン・リングスは帰ってくる」とも予告されました。
今後どういった形で戻ってくるのかは分かりませんが、なんとなくシャーリンは清濁併せ呑むタイプの人物に見えるので、テン・リングスもMCUにおいて、場合によっては敵にも味方にもなるような組織として登場してくれないかな~と思います☺️笑
ロキ的なポジションのキャラクターになったら面白い…
②“ター・ロー”の村と伝説の生き物たち
物語の中盤で登場した、シャンとシャーリンの母親の故郷である伝説の村“ター・ロー”。
そこへたどり着くためには、人食いの竹林(怖い)の迷路を抜ける…という命がけの道を越える必要があるのですが、その先に待っていたのは夢のように美しい村と、伝説の生き物たち。
アジア的なイメージでいうと、「桃源郷ってこんな感じなのかな」と思いながら見ていました。
何より、そこで登場してくる伝説の生き物たちが可愛すぎる。
テン・リングスに囚われていた謎の生物モーリスも最高ですし、九尾の狐がいたり、龍の頭を持つ馬のような生き物がいたり…。
村人と一緒に戦ってくれる獅子のような生き物たちも愛らしいですし、なんだこの幸せ空間は。
ぜひこの生き物たちをもっと深掘りして、たくさんの生態を知りたいですね。
例えばこの生き物たちが現世に解き放たれて、さあ大変!みたいな物語があっても良いなあ…。
どこかのファンタスティック・ビーストで見たような物語ですが…。
③宿命の敵であり、父と子であり
今作のメインテーマのひとつは、犯罪組織のボスであり、悪に染まってしまった父親と、その息子が宿命の対決をするというもの。
ただ、この父親であるシュー・ウェンウーが純粋なヴィランかというと、そういうわけでもなく。
確かに冒頭で説明されたウェンウーの姿は、ヴィランそのものです。
不思議な腕輪テン・リングスの力を使い、ひたすら富と権力を追い求め、立ちはだかる者をなぎ倒しながら何百年も生きてきたウェンウー。
ところが、そんな彼はイン・リーを愛し、父親になったことで変わった。
物語の終盤では、ウェンウーがかつてのような犯罪行為から離れ、良き夫、良き父親として生きていた時期があったことも描かれました。
それゆえに、妻を失った経緯があまりにも辛い。
妻と子どもたちと幸せに生きるためにテン・リングスを手放したのに、テン・リングスを手放していたことで妻の命を守ることができなかった。
もともとは自分の行いの因果が巡った結果ではありますが、その悲しみはどれほど深かったのか…。
その後、子どもたちと向き合うことをやめ、再びテン・リングスを身につけてシャンを厳しく鍛え上げ、組織を強くする方向へ舵を切ってしまったのは明らかな間違いでした。
それでも、何百年も生きてきて初めて手にした愛する存在を失った悲しみが、それほどまでに深かったのだろうな、と思わずにはいられませんでした。
そして今作の戦いは、そんなウェンウーの心の隙につけ込み、闇の魔物が彼を惑わせたことによって引き起こされたもの。
もう少し息子と娘の話を聞いてくれ!と思うこともありますが、逆に子どもたちの声すら耳に入らないほど妻を愛し、追い求め続けていたのだと思うと、その一途さにも胸を打たれるものがあります。
一方、シャン・チー側から見ても、この戦いは切ないものでした。
シャンにとってウェンウーは、犯罪組織のボスとして自分を厳しく育て上げた存在。
ついには家出をしたほど、その父に対して複雑な感情を抱えています。
その一方で、母が生きていた頃には自分を愛してくれていたこと、そして紛れもなく自分の父親であることもまた事実。
それゆえに、一度は母の故郷を壊そうとする父に怒りを覚え、その命を奪ってでも止めなくてはならないと決意したシャン。
しかし最終的には、父との思い出を胸に刻み、テン・リングスとともにその意志の一部を受け継ぐことになります。
ウェンウーの魂が奪われる瞬間、これまでの親子の思い出が蘇るシーンには非常に胸を打たれましたね…。
どれほど対立しても、最後まで消えなかった親子としてのつながり。
たとえその父親が何百年も生き、最後には魔物に心を惑わされてしまったとしても、最期の瞬間まで2人は親子だった。
そういった強い絆を感じさせてくれる戦いで、最高でしたね。
蛇足ですが…、今作を見て、そういやMCUには『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』というピーターとエゴの親子関係を描いた作品もあったな、と思い出しました。
テン・リングスのボスであるウェンウーですら妻を一途に愛し、子どもたちを最後には大切に思ったのに、エゴ、お前はまじで何だったんだ本当に……←
④MCUならではのオチも!
すべての戦いを終え、サンフランシスコに帰ってきたシャンとケイティの前に突如現れたのは、ウォン。
カマー・タージに2人を連れていき、バナー博士とキャロル・ダンヴァースとともにテン・リングスの解析を行うものの、その正体は分からず。
このメンバーをもってしても“謎だ”と言われるテン・リングス。
しかも、どうやらシャン・チーが使用したときに何らかの信号が発されたとのことで、ますます謎が深まりますね…。
当惑するシャン・チーとケイティに対し、MCUの先輩たちがそれぞれの言い回しで歓迎(?)の言葉を述べるのが面白いところ。
「サーカスへようこそ」と告げるバナー博士に、「もう後戻りはできない」と告げるウォン。
…なんだか歓迎しているんだか何なんだか、という感じではありますが(笑)、そもそも会話の温度感が微妙に違う3人を相手にしているので、そのちぐはぐさも合わさって面白いです。
そして最後の「OR……?」が最高!笑
この局面で「OR」の選択肢を持ってくるシャンもシャンですし、その一言ですべてを察して満面の笑みになるケイティもケイティ。
何より、「はい?」みたいな顔をしておいて、ちゃっかりシャンとケイティと一緒に全力でカラオケオールをかましているウォン、最高です。笑
そのままエンドクレジットに突入するところも含めて、最高のオチでしたね~!!
総合的な感想
新たなMCUヒーローの誕生を描いた『シャン・チー/テン・リングスの伝説』。
新しいヒーローの誕生作としても、一つの映画としても、非常によくできた面白い作品でした!
主人公と友人、その家族、脇を彩るキャラクターたち。
バスの中や建物、ビルの足場、広い草原など、手を変え品を変えて繰り出される多彩で見応えのあるアクションシーン。
アジア的な雰囲気を存分に盛り込んだ伝説の村に、不思議な生き物たち。
そして描かれる、家族の愛と宿命の物語。
すべての要素が見事に盛り込まれ、綺麗にマッチした素晴らしい一本で、見ている間ずーっとワクワクが止まりませんでした…!
激しいアクションや息もつかせぬ展開といった“動”の部分と、シャンの過去や心情を描く“静”の部分が波のように繰り返され、その緩急も含めて素晴らしかったなと思います。
そして個人的に特に印象に残ったのが、やはりシャン・チーと両親の関係。
父から教わったのは、敵を倒すための武術。
母から受け継いだのは、ター・ローのしなやかな武術。
シャンはそのどちらかを否定するのではなく、父から受け継いだものと母から受け継いだもの、その両方を自分の力として戦っていく。
父と子は戦う運命になったとしても、その子の中には両親の力が、記憶が、しっかりと受け継がれていた。
シャンがター・ローの武術で父親と戦ったとき、ウェンウーが思わずハッとしたような表情を見せるシーンが印象的でしたね…!
すでに失ったと思っていた愛しい人の面影を、はっきりと我が子の中に見た。
そして最後には、ウェンウーが長い間持ち続けてきたテン・リングスまでもがシャンの手へ渡る。
父からも、母からも受け継いだものを抱えて、新しいヒーロー“シャン・チー”が誕生する。
そう考えると、この作品のヒーロー誕生譚としての完成度は本当に高いなと思います。
テン・リングスの不思議な力に、伝説の村ター・ロー。恐ろしい魔物たちに、多彩なアクション。
ここにケイティの個人的な悩みや、かつて『アイアンマン3』でマンダリンを演じたトレヴァーの存在まで重なって、もう本当に盛りだくさんな作品。
それでも、その物語の軸には最後まで家族の“愛”がありました。
そこを見失うことなく真っ直ぐに描ききっている今作は、非常に満足度の高い一本でした。
素晴らしかったし、面白かった!
シャン・チー、そして腕輪と組織双方のテン・リングスについては、今後へつながる謎を残したまま物語は幕を下ろしました。
これからシャン・チーたちがMCUでどんな活躍を見せてくれるのか、楽しみですね…!
まとめ
今回の記事では、映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』について、ネタバレありで感想&考察をお届けしました。
- MCUに新たなヒーロー、シャン・チーが誕生するオリジンストーリー
- 序盤のバス戦から終盤まで、武術を中心とした多彩なアクションが魅力
- シャンとケイティの気取らない友情や、妹シャーリンとの関係も見どころ
- ター・ローではアジア的な世界観と数々の伝説の生き物が登場
- 単純な悪役では割り切れない父ウェンウーと、シャン・チーの親子関係が物語の中心
- 父と母、それぞれから受け継いだものを自分の力に変えていくシャン・チーの成長物語
- テン・リングスの正体には大きな謎が残され、MCUの未来へつながる展開も
- アクション、ファンタジー、笑い、そして家族の愛が詰まった新ヒーロー誕生の物語
派手なアクションやテン・リングスの力に目を奪われる作品ですが、最後まで見終えたときに一番心に残ったのは、やはりシャン・チーと家族の物語でした。
父のすべてを肯定するわけでも、否定するわけでもない。
母から受け継いだものだけを選ぶわけでもない。
父と母、その両方から受け継いだものを抱えて、自分自身の道を歩き始める。
そうして誕生したシャン・チーが、これからMCUの世界でどんなヒーローになっていくのか。
そして、謎の信号を発したテン・リングスの正体とは何なのか。
今後の物語がますます楽しみになる、素晴らしいヒーロー誕生作でした!


