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【マーベルMCU】『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』ネタバレあり感想&考察|ワンダの悲劇とストレンジの成長

【マーベルMCU】『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』ネタバレあり感想&考察|ワンダの悲劇とストレンジの成長

こんにちは、ゆーです!

今回は、映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』についてお届けします。

 

無限に存在する別の宇宙、“マルチバース”。

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でもその存在が大きく描かれましたが、今作ではついにドクター・ストレンジ自身がマルチバースへ飛び込み、常識の通用しない世界を渡り歩くことになります。

 

別宇宙のヒーローたち、アメリカ・チャベスという新たな存在、そしてホラー映画さながらの恐ろしい演出。

でも、個人的に何より心に残ったのは、愛する家族を求めるあまり“敵”となってしまったワンダの悲劇と、何でも自分で決めてきたストレンジが、最後に他人を信じることを選ぶまでの物語でした。

 

「別の世界なら、もっと幸せな自分がいるのではないか?」

無限の可能性が存在するマルチバースだからこそ突きつけられるその問いは、あまりにも残酷でしたね…。

 

今回はそんな“狂気のマルチバース”を振り返りながら、感想&考察をネタバレありでお届けします!

 

https://marvel.disney.co.jp/movie/dr-strange2

 

ゆー

物語を振り返りつつ、ワンダとストレンジの物語を中心に感想&考察をお届けします~!

 

マーベルMCUの他作品のネタバレあり感想記事はこちらから

 

 

概要・あらすじ(ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス)

公開日米:2022年5月6日
日:2022年5月4日
監督サム・ライミ
制作ケヴィン・ファイギ
時間126分

元天才外科医にしてアベンジャーズ最強の魔術師ドクター・ストレンジ。彼の前に、今いる現実とは異なる世界へと通じる禁断の扉が現れる。その先に広がっていたのは、無限の可能性が存在する、“マルチバース”と呼ばれる無数のパラレルワールド――。この謎と狂気に満ちた世界からの新たな脅威が人類に迫る中、最凶の魔術を操る敵が立ちはだかる…。

https://marvel.disney.co.jp/movie/dr-strange2

 

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映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』を振り返る

以下より物語のネタバレを含みます

 

①マルチバースの扉が開く!

今作最大の特徴は、映画のタイトルにもあるように、“マルチバース”の世界が本格的に描かれること。

 

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でも大きく扱われたマルチバースですが、今作では他宇宙と接続するどころか、ストレンジ自身がいくつもの世界を渡り歩くことになります。

ドクター・ストレンジという作品だからこそできる、何でもありの世界観が面白かったですね~!

 

アメリカ・チャベスとの出会い

そんなマルチバースの世界を切り開くうえで、キーになったのが今作初登場のアメリカ・チャベス。

空間に星形のポータルを開き、マルチバース間を物理的に行き来できる能力を持つ少女です。

 

これまでの世界の理をぶっ壊すほど凄い能力を持っていますが、その力を自分の意思では制御できず、危機的状況にならなければ発動できないという状態でした。

 

そんな少女が謎の魔物に狙われているところを救ったストレンジ。

その後もワンダからの執拗な追跡をかわしつつ、ストレンジとアメリカはマルチバースを移動しながら逃走を続けます。

 

このアメリカ・チャベスという人物、能力が初めて発動した際に家族を別次元へ送り込んでしまった過去を持っています。

それ以降、一人で数多くの宇宙を渡り歩いてきたという、なかなかヘビーな背景を持つキャラクター。

 

そんな彼女が最後にはストレンジから信頼され、自分自身の力を信じられるようになる。

今作はストレンジの物語であると同時に、アメリカ・チャベスという若きヒーローの誕生を描いた作品でもありましたね!

そのうち他の若手ヒーローたちとも出会ってほしいですね。そしてスパイダーマンを孤独から救ってくれ…!ああでもストレンジ先生もピーターの記憶が消えているから無理なのか……。

 

マルチバースの驚きの世界が広がる

そんなアメリカの能力に導かれ、ストレンジも一緒に多種多様な驚きに満ちたマルチバースを旅することに。

 

途中、自身がペンキのようになったり、バラバラに砕け散ったりするような謎の世界まで経由する描写も!

ミラー次元などでそういった異質な世界に慣れているストレンジ先生をもってしても、相当な衝撃だった様子です。笑

 

マルチバースの世界は、“何でもあり”が根底にある世界。

その世界の在りよう自体が、通常の地球に生きる身としては理解の及ばないものばかりで、まさにタイトル通りの“マッドネス”が描かれていましたね。

 

別宇宙のヒーロー集団・イルミナティ

そんな彼らがたどり着いた、ニューヨークとよく似ていながらルールがまるで異なる別宇宙。

そこには、“イルミナティ”というヒーロー集団が存在していました。

 

スティーブ・ロジャースではなく、ペギーが超人兵士となった世界のキャプテン・カーター。

キャロル・ダンヴァースではなく、親友のマリア・ランボーがキャプテン・マーベルとなった世界。

さらに、ファンタスティック・フォーのリード・リチャーズ、ブラックボルト、プロフェッサーX、モルドなど、マーベル作品でお馴染みのキャラクターたちが次々と登場します。

 

ウルトロン型のロボットがイルミナティの警備として配備されていることも含めて、「なるほど、我々が知るMCUとは全く違う歴史を歩んできた世界なのだな…!」ということがよく分かります。

 

マルチバースという設定が本格的に導入されたからこそ、これまでなら実現できなかったようなキャラクター同士の共演が可能になる。

このシーンは、MCUのこれからの可能性まで感じさせてくれてワクワクしました…!

……と思ったら。よ。

 

満を持して登場し、ワクワクを最大限にまで高めてくれるイルミナティですが、その後アメリカを狙ってやってきたワンダに恐ろしいほどあっさりと敗れてしまうのには驚きました。

しかも、とことん惨たらしい方法で倒されていくのがえげつない。

 

「この人たち今後MCUにガンガン絡んでくるのかな…!」と期待が高まった直後だったので、あまりの展開に呆然としましたね…。

一方で、この一連のシーンによって、スカーレット・ウィッチとなったワンダがどれほど恐ろしい存在なのかも強烈に印象づけられました。

 

②ワンダの執着がもたらす悲劇

そう、今作でストレンジたちの前に立ちはだかるのは、ワンダ・マキシモフ。

 

『ワンダヴィジョン』で自身の家族を生み出し、最後には自らの手でその世界を終わらせたこと。

そしてアガサとの戦いを経て、“ダークホールド”を手にし、スカーレット・ウィッチとして覚醒したこと。

 

それらの出来事の先で、ワンダはダークホールドの影響を受けながらマルチバース上に存在する別の自分たちを知り、愛する息子たちと一緒に暮らすことへ異常なまでに執着するようになってしまいます。

そして、アメリカだけが持つ“マルチバースを物理的に移動する力”を奪い、自らが息子たちと過ごせる世界へ移動することを目的に、恐ろしいまでの行動へ出ることになるのです。

 

カマー・タージでも、イルミナティ本部でも、目的を邪魔する者には一切容赦をしないワンダ。

あまりにも圧倒的な力で迫ってくるので、もはやスーパーヒーロー映画のヴィランというよりホラー映画の怪物を見ているような恐ろしさがあります。

 

でも、怖いと同時に、見ていてとにかく辛い。 

まるで『インフィニティ・ウォー』で家族を失い、ローニンとなったクリント・バートンのように、大切なものを失い続けた末に壊れてしまったようにも見えます。

 

最終的にワンダは、別宇宙にいる自分の子どもたちと対面します。

しかし、そこでビリーとトミーから向けられたのは、愛ではなく恐怖でした。

 

自分が何をしてしまったのか。

愛する息子たちから自分自身が“怪物”として恐れられている姿を見て、ようやくワンダは立ち止まります。

そして最後にはワンダゴア山を崩壊させ、あらゆる宇宙のダークホールドを消滅させる道を選びました。

……本当に、もう、どうにかワンダを救う道は無かったのか。

 

『エイジ・オブ・ウルトロン』で初登場してから、ヴィジョンと出会い、彼と過ごしたわずかな時間を除けば、あまりにも多くのものを失い続けてきたワンダ。

両親を失い、ピエトロを失い、ヴィジョンを失い、そして『ワンダヴィジョン』ではようやく手に入れた家族まで自ら手放すことになりました。

 

そんなワンダの苦悩を散々『ワンダヴィジョン』で描いておいて、彼女の物語がこれで終わるのだとしたら、あまりにも救われなさすぎて辛いです。

 

誰か、アベンジャーズの誰でも良いから、ワンダがこうなる前に止めることはできなかったのか。

ワンダに救いは無いのか。

 

今作をワンダの物語として見ていると、その運命のあまりの辛さに胸が締め付けられました…。

これほど悲しい形で終わるのではなく、いつか彼女自身が救われる物語も見たい。

そう思わずにはいられません…。

 

③ドクター・ストレンジが自身を見つめ直す作品

さて、そんな様々な要素を含みつつも、今作はドクター・ストレンジ自身が自分の生き方を見つめ直す物語でもありました。

 

もともと傲慢で、自信家なストレンジ。

「この道しかない」と見定めた道を、自らの手で切り開き、突き進んでいくタイプの人物です。

物語の冒頭から、そんなストレンジについてクリスティーンは「自らメスを握らないと気が済まない人」と評します。

 

とにかく自分で、自分が、という自我がすこぶる強い。

何もかも、一から百まで自分でやらないと気が済まない。

 

また、ストレンジは大義のためなら小さな犠牲を許容する、という考え方で物事を動かしてきた人物でもあります。

 

『インフィニティ・ウォー』ではタイム・ストーンを使って膨大な未来を確認し、その中からサノスに勝利できる道を選択しました。

その先には5年間という時間があり、ナターシャやトニーの犠牲もあった。

 

『ノー・ウェイ・ホーム』でも、最終的にはピーター・パーカーという存在に関する人々の記憶を失わせるほどの大きな代償を伴う方法で事態を収拾することになりました。

 

ストレンジ自身は、その都度考えたうえで「この道しかない」と犠牲を承知で突き進んできた。

でも今作では、マルチバースに存在する“別の自分”を通して、「本当にその道しか無かったのか?」と突きつけられるわけです。

 

傲慢で、犠牲を厭わない姿勢を貫いた別宇宙のストレンジたち。

あるストレンジは危険な方法へ手を出したことでインカージョンという大きな悲劇を招き、また別のストレンジはダークホールドに魅了されて堕落していました。

そして物語冒頭でアメリカと一緒にいた別宇宙のストレンジも、最初こそ彼女を守ろうとしていましたが、最後には「自分がその力を使うしかない」とアメリカの能力を奪おうとします。

 

やっていることは違っても、根底にあるのは同じ。

「自分なら正しい判断ができる」「自分がやるしかない」というストレンジの考え方です。

 

そして、その考え方を突き詰めた別宇宙の自分たちがどうなったのかを、ストレンジは目の当たりにすることになります。

 

だからこそ、最終局面での選択が、非常に良い。

 

これまでのストレンジなら、アメリカから能力を奪い、自分自身でワンダを止める道を選んでいたかもしれません。

でも、今作のストレンジは違う。

アメリカ自身を信じ、「君ならできる」と彼女に託します。

 

自分で世界を救うのではなく、誰かを信じて託す。

これまでのストレンジ先生だったら、なかなか選べなかった道なんじゃないかな~と思います。

ドクター・ストレンジが、変わっている。

 

マルチバースという設定は、単に別世界のヒーローを登場させるためだけのものではなく、ストレンジに「違う選択をした自分」を見せるためにも使われていたわけですね。

 

エンディングでは“第三の目”が現れ、その後はクレアとともにインカージョンへ対処するため別次元へ向かうことになりますが、今作はドクター・ストレンジという人物がまた一つ変わり、大きくなっていくような、そんな作品になっているのだと思います。

だからこそワンダとの扱いの差や、もしアメリカとの出会いと『ノー・ウェイ・ホーム』の出来事の順番が逆だったら…と色々思うところはありますね。。ワンダとピーターに救いあれ。

 

総合的な感想

マルチバースという無限の可能性を真正面から描いた今作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』。

マルチバース間を物理的に移動し、次々と襲い来る脅威に対応しながら、ストレンジ自身も自分の生き方を見つめ直し、大きく成長していく物語でした。

 

やはりドクター・ストレンジシリーズならではの映像表現が今作も凄い!

もともと魔術を駆使した独特な映像が魅力のシリーズだからこそ、マルチバースの“何でもあり”な世界観が違和感なく馴染むのが良いなあと思います。

 

そして、今作を語るうえで外せないのがホラー的な演出。

サム・ライミ監督らしさが存分に発揮され、ワンダがイルミナティを次々と倒していくシーン、その後に傷だらけの姿でストレンジたちを追ってくるシーンはもうホラーそのもの。

 

ストレンジがドリームウォークで死体に憑依する描写も普通に怖いですし、集ってくる悪霊も怖い。

ラストの第三の目の開眼といい、要所要所にしっかり、がっつりホラー要素を入れてきています。

下手すると夢に出てきそうですよ、もう…。笑

 

でも、個人的にこの映画で最も印象に残ったのは、やはりストレンジとワンダの対比ですね。

 

ストレンジは別の自分たちの失敗を見て、最後には「自分がやる」という考えから一歩離れ、アメリカを信じることができた。

一方のワンダは、別世界に存在する“幸せな自分”を見てしまったことで、その幸せを自分のものにしようとしてしまった。

 

同じマルチバースを見ても、一人は自分自身を見つめ直し、一人は失ったものへの執着を深めてしまう。

そう考えると、マルチバースという設定そのものが2人の生き方を映し出す鏡のようになっていたのかな、とも感じられます。

 

今作を通して、新たな一歩を踏み出したストレンジ。

そしてカマー・タージで修行を始め、自身の能力について学び始めたアメリカ。

2人の今後の活躍に期待が高まりますね…!

 

まとめ

今回の記事では、映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』について、ネタバレありで感想&考察をお届けしました。

 

映画についてのまとめ
  • ドクター・ストレンジが本格的にマルチバースを渡り歩く、スケールの大きな物語
  • マルチバースを移動できる新ヒーロー、アメリカ・チャベスがMCUに初登場
  • イルミナティをはじめ、別宇宙ならではのヒーローたちが登場する驚きの展開
  • 『ワンダヴィジョン』後のワンダが、失った家族を求めるあまりストレンジたちの前に立ちはだかる
  • 圧倒的な力を持つスカーレット・ウィッチの恐ろしさと、ワンダの救われない悲しみが描かれる
  • 別宇宙の自分たちを通して、ストレンジが自身の傲慢さや「自分で決める」生き方を見つめ直す
  • 最後にはアメリカを信じて託すという、これまでのストレンジとは異なる選択を見せる
  • サム・ライミ監督らしいホラー演出と、ドクター・ストレンジならではの映像表現も大きな魅力

 

無限に存在する別の世界を描きながら、最終的に問われていたのは「自分とは違う可能性を見たとき、どう生きるのか」ということ。

 

別宇宙の自分たちの失敗を見て、自分自身の生き方を変えたストレンジ。

別宇宙で幸せに暮らす自分を見て、その幸せを求め続けてしまったワンダ。

そして、自分には力を制御できないと思い込んでいたものの、ストレンジから信じてもらったことで一歩を踏み出したアメリカ。

 

“何でもあり”に見えるマルチバースを描きながら、その中心にあったのは3人それぞれの選択と心の物語だったと思います。

 

ストレンジの成長には胸が熱くなりましたし、アメリカという新たなヒーローのこれからも楽しみ。

だからこそ…、最後に思ってしまう。

ワンダにも、救われる未来があってほしい。

 

マルチバースという無限の可能性を描いた作品だからこそ、そんな可能性もどこかに残っていてほしいですね…!

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