ディズニー映画『トレジャー・プラネット』のネタバレあらすじと感想!ジムとシルバーの生き様に魅せられるディズニー屈指の最高のストーリー

こんにちは、yu-です!

 

今回の記事では、ディズニー長編アニメーション映画より『トレジャー・プラネット』を紹介します。

 

 

生粋の冒険物でありつつ、登場人物の織りなす人間ドラマ、人と人との関係とその生き様に魅せられるこの映画。

個人的にはディズニー映画の中でトップ5に入る作品です。

 

とはいえ、ディズニー映画であること自体あまり知られていないレベルでマイナーなこの映画。

まずは作品の情報から見ていきましょう。

 

作品情報

 

公開年 2002年
上映時間 95分
原題 Treasure Planet
スタッフ 監督:ロン・クレメンツ、 ジョン・マスカー

脚本:ロン・クレメンツ、 ジョン・マスカー、 ロブ・エドワーズ

おすすめ度

 

原作はスティーブンソンの『宝島』

映画『トレジャー・プラネット』は、有名なスティーブンソンの小説『宝島』を原作に、物語の舞台を海から宇宙に置き換えた作品です。

 

小説『宝島』は1883年に発表された子ども向けの小説。

子ども向け…といいつつ、学生時代に課題図書として読んだときは、少々回りくどい表現があったり、登場人物が多かったりとなかなか読みにくい印象があったのを覚えています。笑

 

ちなみに今ではむしろそういった文章が気に入り、事あるごとに読み返している作品です。

きっと一度は読んだことがある!という方も少なくないのでしょうか?

 

本作『トレジャー・プラネット』は、そんな『宝島』の登場人物の名前や設定、さらには物語の流れまでかなり忠実に制作されています。

 

小説を読んだことがある方は、あっ!と思うシーンがあることでしょう…!

 

CGと手描きアニメーションの融合

『トレジャー・プラネット』では、新たなアニメーション技術として、手描きアニメーションとCGが融合した映像が特徴的。

 

広大な宇宙の映像はCGで。

個性豊かな登場人物たちは手描きで。

 

それ故に、昨今のディズニー作品のような壮大でリアルな映像と、かつてのディズニー作品のようなのっぺりと、でもそれ故に活き活きとしたキャラクターの姿が同時に楽しめる作品となっています。

 

最近のようなフルCGも良いのですが、かつての2Dのあの絵の感じも好き。
両者のいいとこ取りをしているような映像を楽しめます😊

 

あらすじ

 

父親が家を出ていき、未来への希望を失って自棄になっていた少年ジム。

ある日ジムの母が切り盛りする「ベンボウ亭」の目の前に宇宙船が墜落する。

宇宙船に乗っていたビリー・ボーンズと名乗る老人をジムは懸命に救おうとするが、彼は「サイボーグに気をつけろ」という言葉と共に、 宝の惑星「トレジャープラネット」の地図をジムに託し、息絶えてしまう。

ジムは宇宙物理学のドップラー博士とともに宝の惑星を探す旅に出ることを決意するのであった…。

 

【ネタバレ感想】ディズニー屈指の物語

 

ここからは、『トレジャー・プラネット』の物語を物語の流れに沿ってネタバレ込みで語っていきたいと思います。

 

①宝の地図

 

伝説の大海賊ナサニエル・フリント。

彼は突如現れては財宝を奪い、跡形も無く消え、財宝を集めていた。

 

そんなフリントが集めた財宝は、今も宇宙のどこかでひそかに眠っていると信じられている。
想像を絶する程の財宝の山が今も眠る惑星。
その名は、”宝の惑星”。

 

幼少期のジムが本を読むシーンで幕を開ける本作。

 

伝説の海賊、そして財宝の山。

これだけでワクワク要素が全開なのですが、何より”宇宙”の設定が素敵すぎる。

 

ソーラーパネル付の帆船に、エンジンで動くエンジン。

そして宇宙を駆る船の数々。

 

特にジムとドップラー博士が”トレジャー・プラネット”行きを決め、航海に出るそのときに訪れるスペース・ポート。

空に浮かぶ三日月かと思いきや、その正体は宇宙を航海する船が行き交う港でした。

このスペース・ポートが描かれるシーンのワクワク感がたまらない…!

 

 

溢れる近未来感に、見慣れない船が宇宙を飛び交う様は、まさしくディズニーらしい光景で。

これが単に海に航海するだけだったらこの感覚はなかっただろうな…、と思うと、改めて舞台に”宇宙”を選んできたのには素晴らしいと思わずにはいられません…。

 

もう冒険モノが好きな人にとってはワクワクが止まらない設定となっています。

 

主人公の名前や宝の地図を持っていた”ビリー・ボーンズ”という人物、そして彼との出会いのシチュエーション等々は、原作の『宝島』そのものです。
初めて見たときは、名前まで一緒なことには驚きました!

 

②出航とシルバーとの出会い

 

ドップラーが手配した宇宙船R.L.Sレガシー(レガシー号)に乗り込んだジムとドップラーは、そこで女船長のアメリアや彼女の右腕の副船長アロー、ドップラーが雇った少々胡散臭い乗組員と対面する。

そこでジムはアメリアの命令により、料理人として船に乗っていたコックのシルバーのもとで見習いとして働くことに。

 

シルバーがサイボーグと聞き、ビリー・ボーンズの「サイボーグに気をつけろ」との言葉から初めはシルバーに対し疑いを抱くジムだったが、徐々に自分を信頼してくれるシルバーをいなくなった父親の面影に重ねていくのだった…。

 

 

シルバーを目にした瞬間からもう全力で疑ってかかるジムでしたが、その疑いは大正解。

見ているコチラには、早々にシルバーが海賊の頭領であることが明かされます。

 

それ故に、その後ジムがシルバーに徐々に心を開いていく様が、暖かくて、そして苦しい。

2回目以降の鑑賞のときは、結末まで把握しているのでこのシーンを暖かな気持ちで見れるのですが、初めて見たときは暖かさと苦しさを半々くらいに感じましたね…!

 

 

ここで挟まれる挿入歌かつ本作の主題歌『I'm Still here』は名曲です。

 

 

主人公ジムの葛藤。心の内。

そしてそんな心の扉が開いていく様。

 

ジムとシルバーの2人の姿が描かれるこのシーンは、一切のセリフが入らず、すべてこの曲に乗せられて語られていきます。

 

ここで語られるジムの心中は、きっと誰もが深く共感できるもの。
痛いほど共感できるそのストレートな歌詞が、深く響くシーンです。

 

③恐ろしい陰謀と逃亡

 

ある日、ひょんなことからジムはシルバー一味の恐ろしい陰謀を聞いてしまう。

父のように慕っていたシルバーの真の姿に驚き、慄き、苦しむジム。

そんな中船はついにフリントの宝の惑星に到着。

同時にシルバーたちは反旗を翻し、船の乗っ取りを始めるのだった。

 

 

まるで父のように慕い始めたシルバーの壮絶な裏切り、見ていてものすごく胸が苦しくなるシーンです…。

が、一方でジムはもうこの旅を始めた頃のジムじゃあない。

シルバーの裏切り、そして逃走、星での探索など今までの彼にはなかった力強さで持って進んでいく姿が描かれます。

 

かつて父親が出ていった事によって自棄になっていた少年が、シルバーと出会い旅をする中で変わっていき、

今やそのシルバーに裏切られても力強く進めるようになった。

 

ジムのこの変化には見ているコチラは感動もの。
同時に新たな惑星に降り立ったことによる冒険要素も強く、ワクワクも止まりません。

 

原作に忠実な展開

 

さて、ジムは降り立った惑星でロボット・ベンと出会うのですが、原作『宝島』を読んでいる方は、ベンの登場におおっ!となるのでは?

…かくいう私もその一人。笑

 

原作『宝島』でも同様の展開を繰り広げ、海賊シルバー一行の反乱の後、主人公たちは宝島に置き去りにされていたかつてのフリント船長の一味であるベン・ガンと出会っているのです。

 

ここまでも原作に非常に則った流れとなっていましたが、この展開も非常に忠実な上、ベンがロボットとなって登場してくるのには驚き!笑

 

原作と似ているけれど違うところ、この塩梅が『トレジャー・プラネット』はものすごくちょうどよいです。

原作と、本作のお互いの良さを程よく引き出しているこの感じがたまりません。笑

 

原作を読んだ子のない方はここで一度読んでみては?
映画を見ていればきっと楽しめるはず。(ちょっと読みにくいとこはあるけども)


 

④大海賊フリントの秘密と結末

 

逃亡の挙げ句シルバーに捕らえられてしまったジムたち。

ところが宝の地図の開け方を知るのがジム一人であるため、シルバーはしぶしぶジムを案内役に仕立てることに。

 

宝の地図が導く先にあったのは、巨大な扉。

そう、フリントが強奪の後跡形も無く姿を消していたのは、この扉を通って一瞬にして移動していたためでした。

 

いわば、巨大どこでもドア。

なぜフリントがこんなものを所有していたのか?という部分は明らかにはなりませんが、何にせよジムが子どもの頃読んでいた伝説の謎解きがこんな形で成されるとは。驚きです。

 

これ以降原作『宝島』とはかけ離れた、非常にディズニーらしい、そして非常に私好みの物語が始まります。

 

『トレジャー・プラネット』オリジナルの展開

宝が星の中心にあることを突き止め、シルバー一行は宝の山に足を踏み入れる。

ところが、用心深いフリントは罠を仕掛けており、フリント以外の者が侵入すると星が爆発する仕組みにしていたのだった。

 

星の爆発に呑まれ、どんどん姿を消していく宝たち。

そんな中、ジムが星の割れ目に呑まれ、危機的な状況に。

その近くにいたシルバーは、宝をたくさん積んだ船を取るか、ジムを救うか、決断を迫られる。

熟考の末、最終的にシルバーが選択したのは、ジムを救うこと。

こうしてジムは救われ、なんとかレガシー号とともに惑星から脱出するのであった。

 

シルバーが選んだ道は、ジムを救うことでした。

自身が長年追い求めた夢を捨ててまで、ほんの僅かな期間時間をともにしただけの、でも彼にとって大切な存在となったジムを選んだ。

 

ここで感動泣きその一が入ります。

涙なしには見れないんですよもう…。

 

何度見ても涙が出てしまうラストシーン

 

惑星を脱出し、スペースポートに戻る寸前、シルバーはひっそりとレガシー号を去ろうとするところをジムに見つかります。

シルバーは、このままスペースポートに戻ったら捕まってしまうのでその前に去ろう、という魂胆。

 

おとなしく捕まって罪を償おう、という発想にならないあたりシルバーらしい。

更には、自分が捕まりたくない!…というのではなく、「モーフは自由な性格だから檻の中は可哀想だ」という言い方をするあたり、もう大好きですね。笑

 

その後の2人のやり取りは、ディズニー映画屈指の涙腺崩壊もの。

何度見ても泣けてしまい、そして「ああ、私も頑張ろう…!」と強く思わせてくれます。

それでは、そのやり取りの内容を、どうぞ。

 

 

ジムに見つかったシルバーは、ジムに「一緒に来ないか?お前と俺で誰にも邪魔されず愉快にやろう。」と声をかけますが、ジムの答えはこうでした。

 

航海に出てすぐの頃なら、喜んでオーケーしてたよ。
でも、あるサイボーグが教えてくれた。
”目標に突き進め”って。
僕はそうする。

 

このジムの回答に、シルバーは目を細め、質問を重ねます。

「お前の航海の先には、何が見える?」と。

 

これに対して、ジムは一言、こう告げるのでした。

 

未来さ。

 

本当の親子でもないし、決して仲間だったわけではない。
でも、お互いがお互いに与えた影響は計りしれず。
それは、未来を歩む力になる。きっとこれからもシルバーはジムに恥じない生き方をするでしょうし、
ジムもシルバーに恥じない生き方をするのでしょう。
そんな未来に期待を抱ける、最高のラストでした!!

 

【まとめ】

 

今回の記事では、ディズニー長編アニメーション映画より『トレジャー・プラネット』のネタバレ感想をお届けしました。

 

個人的にも大好きな映画であることから、思わず力が入りすぎてしまい、たった一つの映画のネタバレ感想記事なのに5000文字弱という大ボリュームとなってしまいました…。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

 

ぜひ一度見たことのある方はもう一度、見たことの無い方はこの機に一度。

 

見るだけで元気と、やる気と、希望をもらえるこの『トレジャー・プラネット』を楽しんでみてはいかがでしょうか?

 

 

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