こんにちは、yu-です!
今回の記事では、ディズニー映画の
「ムーラン」
についてその魅力と内容を紹介したいと思います。
なお、2020年に公開した実写版ムーランについては別記事でまとめています。
Contents
作品情報
公開年 | 1998年 | ||
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上映時間 | 88分 | ||
原題 | Mulan | ||
スタッフ | 監督:トニー・バンクロフト、バリー・クック 製作:パム・コーツ 脚本:リタ・シャオ、クリストファー・サンダース、フィリップ・ラゼブニック、レイモンド・シンガー、ユージニア・ボストウィック・シンガ- 音楽:マシュー・ワイルダー |
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おすすめ度 |
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1998年に公開されたディズニーアニメーション映画で、ムーランというプリンセスが主人公の物語。
上映時間は88分と、ディズニーのアニメ映画としては標準的な時間です。
会社員や学生であれば、テレワーク・オンライン授業の合間のお昼休みに少し時間をプラスしてあげればあっさりと見終わってしまうような長さ。
あらすじ
古いしきたり、特に女として良い家に嫁ぐことがすべて、
という考え方に疑問を持っていた。
そんなある日、ファ族が攻めてきて、年老いた父が国を守る
戦いに行くことになった。これを知ったムーランは、ひそかに一大決心をする。父ではなく、自分が女性であることを隠し戦いに行くことを。父の代わりに軍に加わるため、そして自分らしく生きるため。長い髪を切り、少年に姿を変え、ムーランは愛馬カーンと共に家を飛び出したのだった…。
主要登場人物
自分の意志を強く持つ、強かな女性。
その考え方・生き方を存分に堪能できます。
ムーランの祖母がお見合いに行く孫のために幸運のお守りと称して持たせたものの、クリキーを見て驚いた仲人によって大惨事を引き起こしてしまう。
普通のコオロギなのに幸運のコオロギと称されることに後ろめたさを感じている。
物語を引き立てる重要な登場人物、クリキー。
”幸運のコオロギ”であることに負い目を感じつつも自分にできることを探していくその姿に注目です!
お調子者でちょっといいかげんなところもある、憎めない性格。
幸運のコオロギ“クリキー”と一緒に出陣したムーランの後を追い旅に出る。
物語を引き立てる、もうひとりの重要な登場人物がムーシューです。
彼がいることにより、物語全体がぱっっと明るくなっています。良いキャラクター!
男装したムーランをのせて出陣する。
ムーランの良き相棒たる、カーン。
ムーランと息がピッタリの様子が存分に描かれます。
集められた兵たちを戦争で戦えるよう鍛え抜く。
正義感が強く勇敢な性格。
部隊をまとめ、部隊を率いる、隊長として非常にぴったりな性格を持っています。
家のしきたりを重んじる、娘想いの厳格な人物。
先の戦争で足を負傷し、杖を突いている。
ムーランをあたたかく見守る、「良い父親」の代名詞のような性格です。
ムーランとの一言一言のやり取りには注目。
ムーランと同じ隊に所属し、シャン隊長の訓練を共に受ける仲間たち。
はじめは貧弱で細いムーランを蔑視し、訓練で辛く当たりますが、徐々に強くなって頭角を表すムーランに次第に協力し仲良くなっていきます。
三者三様の強力な個性を持っており、愛すべきキャラクターです。
映画が始まって90秒くらいで判明するため言ってしまいますが、シャン・ユーが本作の敵役です。
とにかく残忍・残酷な性格が前面に押し出される一方、彼自身の心中や過去等々にはほとんど触れられず、あくまで完全なる”敵役”として存在していることが特徴です。
以上、主要登場人物の紹介です。
本作は敵役が敵として非常にわかりやすいことが特徴です!
【ネタバレ感想】アニメで描かれる深いテーマ
ここからは「ムーラン」のネタバレ感想を書いていきたいと思います。
結婚のための面談の失敗
物語の序盤、ムーランが結婚のための面談へ向かう部分から物語はスタートします。
「家に名誉を」(歌:一城みゆ希、京田尚子、伊東恵里)という曲にのせて、ムーランを始めとする年頃の娘たちが結婚の仲人のもとへ向かうのですが、ムーランはその中で唯一人、
「自分らしく生きてはいけないのか?」
という考えを持っていました。
ムーランは賢く、自分の考えで行動を起こすことができる女性でした。
原題でこそ評価される姿勢ですが、作中の世界では、女性とはおしとやかで自分の意見を持たず、男性に従うのが通常。
ムーランのような女性は「お呼びでない」のです。
そんなこんなで迎えた面談。
ムーランが連れてきていた”幸運のお守り”であるコオロギのクリーキーに仲人さんが驚いてしまい、面談は大失敗。
ムーランは帰宅することになります。
女の生き方は「♪家に名誉を」の歌詞の中に
ところで、この物語における”女の生き方”については、前述の「家に名誉を」という歌の歌詞に如実に現れています。
たくさんの登場人物が掛け合うようにセリフとして歌い上げる曲です。
先生)なんなのよ この格好
さぁ ほら 急げ
私の腕前 見せてあげる先生)まかせなさい
トコトン磨きをかけりゃ
絹のようなお肌に
みんなの誉れです女性1)綺麗になれば
女性2)男はあなたのために
女性1)手柄たてる
女性2)ホラ 素敵でしょ
1・2・リー)みんなの誉れです全体)娘は家族に 名誉を運ぶ
縁組次第
今日がその日女性3)殿方が 望むのは
女性4)無口
リー)従順
女性3)働き者
リー)育ちがよく
女性4)お淑やか3・4・リー)みんなの誉れです
全体)陛下に我々ができること
男は国まもり 女は家守る
おめかし すれば
白いハスの花のよう
男はあなたに夢中
みんなの誉れですヒスイ飾り
誇りを持って
このコオロギ お守りだ
何かあった時のためさご先祖様見守って
家の名汚さず 父さんの
面目立つように全体)胸がドキドキ これから
仲人さんに会いに行く
我ら 祈る
この娘たちの 幸せと
我らの明るい未来
必ず来るように
親に名誉を
家族に名誉を
家に名誉を
みんなに名誉を
もたらしたまえ
特に赤字で示したところが、この世界観を如実に表しています。
そう、女の役目は良い殿方と良い縁組をして、家の名誉を高め守ること。
良い相手と結婚すれば、女性自身も幸せ、家の名誉も守られる、それが女の生き方だ!!!という考え方です。
殆どの女性はこのことに疑問も持たず、忠実に生きるのですが、
賢いがゆえにその生き方に染まることができない女性、それがムーランなのです。
”生き方”は一つじゃない
縁談が失敗し、その後に男として父の代わりに戦争に行ったムーラン。
その決断は、年老いた父を守るため、それがきっかけなことは確かです。
しかしその一方で、
着物と髪の毛を男性風に仕立て上げ、愛馬カーンにまたがって野をかけていくとき。
シャン隊長のもとで男性たちの中で訓練に励んでいるとき。
そして実際に戦場で戦っているとき。
これらのムーランの姿と、表情は序盤の面談に向かうためにおめかしさせられているときと比べて遥かに生き生きとしているのです。
本来この国では、女性の生き方は唯一つ、「良い結婚をすること」それだけでした。
そこに、新たな風穴を自らの力で開けていく…。
そんなムーランの姿を描いていく序盤~終盤の演出は本当に見事です。
ラストの戦闘シーンは胸が熱くなる傑作
ラストの戦闘シーン。
怪我によりムーランが女性であることがバレてしまい、小隊を追放されたあと。
凱旋パレードの裏でフン族が皇居に押し入り、皇帝を狙います。
それに気がついたムーランは阻止しようとしますが、女性に戻ったムーランの声を聞いてくれる人など、誰もいませんでした。
そうこうしている間に、フン族の攻撃が開始。
皇帝が連れ去られてしまいます。
小隊の仲間、そしてシャン隊長は皇居に押し入ろうとするもうまく行かず。
その様子を見たムーランは、ある作戦を思いつきました。
その作戦とは、なんと女装すること。
「女性はか弱く殿方に守られなければ生きていけない生き物である」
という考え方を完全に逆手に取った作戦です。
- ムーランがこの作戦を自ら提案したこと
- かつては女性を(普通の男性のように)蔑視していた小隊の仲間三人組が、その作戦に賛同したこと
- 一度は”女性である”ために追放したムーランの意見に賛同したこと
この部分が本当に胸熱です。
相手が女性である時点で完全に油断しきった敵を見事に突破していくシーンは非常に痛快。
いけ!やってやれ!!という気持ちになります。笑
【まとめ】広く世に知られてほしい映画
さて今回はディズニー映画、「ムーラン」の紹介・ネタバレ感想をお届けしましたがいかがでしょうか。
多少の魔法(ムーシューの力)はあるものの、ご都合主義的なシーンはなく、ムーラン自身の力で諸々を乗り越えていく姿が印象的なこの映画。
ムーランは現在「ディズニープラス」にて見放題の作品となっています。
初月一ヶ月無料であるため、是非試してみてはいかがでしょうか?
ちなみにあえて触れていませんでしたが、「ムーラン」は実写版が昨年ディズニープラスにて公開されました。
…が、この実写版と原作アニメは全く別の物語であると考えてほしいと強く思います。
実写版ムーランについては、こちらから↓
このご時世、家の中で楽しめる映画を是非楽しんでみては?