【マーベルMCU】『アイアンマン』ネタバレ感想&考察/解説|「私がアイアンマンだ」までの130分を語り尽くす

こんにちは、ゆーです!
今回は、MCUシリーズの原点にして“すべての始まり”である映画『アイアンマン』について、
ネタバレありでたっぷり感想&考察を語っていきます◎
初めてこの作品を見た時のあの衝撃…
「なんで今まで見てこなかったんだろう!?」という感覚を、今でも鮮明に覚えています。
- MCUをこれから見始めたい人
- 久しぶりにアイアンマンを振り返りたい人
- トニーが好きで仕方ない人
そんな方に向けて、
改めて“アイアンマン誕生の瞬間”をじっくり一緒に追っていきます~!
マーベルMCU作品の記念すべき第一作品目。物語を振り返りつつ、感想&考察をお届けします~!

映画概要・あらすじ(アイアンマン)
| 劇場公開日 | 米:2008年5月2日 日:2008年9月27日 | ||
|---|---|---|---|
| 監督 | ジョン・ファヴロー | ||
| 制作 | アヴィ・アラッド ケヴィン・ファイギ | ||
| 上映時間 | 126分 | ||
アフガニスタンで自社兵器のデモ実験に参加したトニー・スタークは、テロ組織に襲われ拉致されてしまう。胸に深い傷を負い捕虜となった彼は、組織のために最強兵器の開発を強制される。トニーは装着することで、圧倒的な破壊力とパワーを発揮できる戦闘用パワードスーツを敵の目を盗み開発。敵地からの脱出に成功するが、奇跡的に生還したトニーは、ある事実を知り愕然とする・・・。自らが社長を務める会社が開発した兵器がテロ組織に使用されていたのだ。トニーはその償いをすべく、テロ撲滅に命を捧げることを決断。最先端の技術を駆使し、新たなパワードスーツの開発に着手する。
【ネタバレ感想】映画『アイアンマン』を振り返る
以下より物語のネタバレを含みます
①アフガニスタンでの拉致とパワードスーツの誕生
印象的なアフガニスタンでの冒頭シーン
映画の幕開けは、アフガニスタン。
荒野を物々しい戦車らしき車列が進む中、そのうちの一台の中で繰り広げられる、およそ緊張感とは程遠いやり取りが描かれます。
この”緊張感とは程遠い”存在が、今作の主人公である、トニー・スタークその人。
スーツを着こなし、ウイスキーを傾けながら車内の軍人に気さくに話しかけ、大富豪らしい豪胆さと傲慢さを余すこと無く発揮してきます。
このワンシーンだけで、だいたいトニー・スタークがどういう立場にある人物なのか?がはっきり分かる、というのが凄いところですよね…。
写真撮影ににこやかに応じたトニー。シャッターを切ろうとしたその瞬間、眼の前の車が炎上。
程なくしてトニーの乗る車にも銃撃が迫り、つい先程までにこやかに話をしていた軍人たちが目の前で吹き飛ばされていきます。
トニーは命からがら車から脱出するも、目の前に落ちてたのは自社ー「STARK INDUSTRIES」のロゴが書かれたミサイル。
ミサイルが爆発し、トニーは意識を失うのでした。
冒頭からぐっと掴まれるオープニング。何度見てもこの時点でもう面白いんですよね…!
大富豪にして成功者、トニー・スタークの奔放な日々
時間は巻き戻り、アフガニスタン事件の36時間前。
トニー・スタークは自身に授与される賞の表彰式をすっぽかし、カジノで奔放に遊び、取材に来た美人の記者を家に連れ込んでは一夜を明かしていました。
トニー・スタークの正体は、軍需産業で莫大な儲けを得た会社”スターク・インダストリーズ”の二代目社長。
若くして社長の座についた彼は、幼い頃からの才能を活かし次々とアメリカを守るための兵器を開発しては販売し、会社は成功を収め続けているのでした。
表彰式に現れたなかったことを、親友でありアメリカ空軍のローディに咎められても、全く気にもとめず。
挙げ句、もらったばかりで「美しい」と称していたトロフィーを、カジノでコスプレをしていた見知らぬ人にその場であげてしまうなど、トニー・スタークがなかなかに”めちゃめちゃ”な生活を送っていることが描かれます。
家に連れ込んだ記者についても、秘書のペッパー・ポッツに後処理を任せて自身は作業場に引きこもる…という大概の嫌な奴っぷりです。笑
その後トニーは運命の地、アフガニスタンにローディとともに自家用ジェットで向かいます。
その目的は、スターク・インダストリーズが新たに開発したクラスターミサイル”ジュリコ”のプレゼンテーションをすること。
無事プレゼンテーションを終え、基地に移動すべく車で移動している最中に、テロ組織に襲われるのでした。
万事雑でお金に頓着しない大富豪であり、かつ幼少期から頭角を表した天才である、スターク・インダストリーズの二代目社長。そんなトニー・スタークの人物像が描かれます。
テロ組織による拉致とインセンとの出会い
気がつくと、トニーはテロ組織の拠点である洞窟に囚われ、胸には車載用バッテリーに繋がった電磁石が取り付けられていました。
なんでも、爆殺のときに飛び散ったミサイルの破片がトニーの胸に突き刺さり、電磁石で破片が心臓に達しないよう引き止めておかねば命を落としてしまうとのこと。
トニーを拉致したテロ組織は、自らの拠点をトニーに案内し、スターク・インダストリーズ製の武器がところ狭しに並んでいることを見せます。
そして、トニーに解放と引き換えに”ジュリコ”の組み立てを要求。
ジュリコを組み立てたところで解放されないだろう、と察したトニーは、同じく囚われの身で、トニーに電磁石を取り付けて命を救ったホー・インセン博士と一緒に、ジュリコ制作に見せかけて”アーク・リアクター”の小型版を開発。
それは、胸に接続して電磁石の代わりに命をつなぐほか、莫大なエネルギーを発電する代物でした。
続いてトニーは、アーク・リアクターと連動するパワードスーツ”マーク1”を開発。
すんでのところでテロ組織に踏み込まれそうになるも、インセンが自らの命を引き換えにしてなんとかパワードスーツを起動させ、トニーは圧倒的なパワーでテロ組織を撃退しつつ、スターク社の武器をすべて焼き払い、命からがら脱出を果たすのでした。
テロ組織に囚われ、命をつなぐために電磁石が必須となった時点で最悪であるのに、挙句の果てに自身が”平和”を謳って開発した自社製品が、テロ組織に大量に流れていることを知ったトニー。
踏んだり蹴ったり、と言うにはあまりにも過酷な状況過ぎますが、ここでトニーは絶望するのではなく、自身の技能を活かして生き抜き、その上で自らの正義を通すーテロ組織に渡った自社製品をすべて焼き払う、という道を選びました。
洞窟の暗がりの中で製鉄しながらパワードスーツを組み立てるあのシーン、あまりにも有名なシーンですが何度見ても胸が熱くなります。
暗く狭い洞窟に響く、”カーン”という音。
ああ、全てはここから始まるんだよな…、と胸の奥のざわめきをいつも抑えられなくなります…。笑
トニーの命を救ったインセンは、ここでトニーの代わりに命を落としてしまいます。
ここでインセンが犠牲になってしまったことも含め、このあとのトニーの行動に繋がっていくわけですね…
②会社の方針転換とパワードスーツ開発
会社の方針転換を決意
無事アメリカに生還を果たしたトニー。再会を喜ぶポッツとの流れそのままに、記者会見を要求します。
そこでトニーは、チーズバーガーを片手に「スターク・インダストリーズは軍需産業から撤退する」という爆弾発言をかますのでした。
軍需産業で栄えた会社が、軍需産業を辞める。
車屋が車を売るのを辞める、と言っているのと同義のとんでも発言ではありますが、トニーの決意は固かった。
自社の製品がテロ組織の手にわたり、それが人命を目の前で奪った。
あまつさえ、トニー自身の命も、自社の製品によって奪われる寸前でした。
その一部始終を見ていたこちらとしては、トニーがその決意に至るのは至って自然だ、ということはよく分かります。
ただまあ、生還後すぐに開かれた記者会見で、周りの根回しも何もせず、いきなり”撤退する”と言ってのけるとは…。
まさにトニー節、とでもいうべき唐突さで、それ故に敵も、逆に熱狂的なファンも多いんだろうな…と思わず苦笑いせずにはいられません。笑
そんな記者会見の裏で、秘書のペッパーに”戦略国土調停補強配備局”の捜査官であるフィル・コールソンが接触。後々このことが大きな意味を持ってきます。
パワードスーツ開発の日々と初飛行
トニーは自ら犯罪者やテロリストと戦うべく、私財と自らの能力を全力で投じて、新たなアーマーの開発に着手。
アーク・リアクターも新しく作り直し、古い物はペッパーの手で綺麗な置物に姿を変えます。
このアーマーを作り上げていくシーン、序盤の洞窟内で組み立てるシーンとは非常に対照的なのも面白いところです。
洞窟の暗がりの中、限られた材料と時間の中組み立てたマーク1。
一方、自身に最適化された自宅の作業場で、最新鋭の道具とロボット、人工知能のジャービスも駆使したマーク2。
状況も目的も大きく異なる中、トニー自身の才能が際立っている点だけは共通していて、どちらのシーンも個人的には大好きですね…!
こうして出来上がったマーク2。早速夜間の飛行テストを実施します。
「まだ実践には早い」と諭すジャービスに対して、「時には歩くより前に走らねばならない」と言ってのけるトニーの姿は、非常にカッコいい。
身一つでアメリカの夜の空を自由自在に駆け巡る、最高のシーン。
きっと誰もが一度は心に描いたことがあるのではないでしょうか。ぐーっと、心の内で興奮せざるを得ません…!笑
最後には、より高い硬度を目指して飛び上がるも、上空の気温に耐えられず凍結が発生。
地面に激突するギリギリのところでなんとか動力を復活させ、事なきを得ます。
この実験を経て、トニーは更にマーク2を改良。
より凍結に耐えられ、そして見た目をジャービス曰く”目立ちにくく”した、アイアンマンの原型ーマーク3が誕生するのでした。
数々の試行錯誤のもと、ついにマーク3が完成!
スーツの開発から飛行テスト、最終完成に至るまでのこのシーン、いつ見てもワクワクしてしまいます~!
テン・リングスとの戦い
トニーは、TVのニュースで軍需産業から撤退したはずのスターク社の製品が、未だにテロ組織ーテン・リングスに流れていることを知り、社内の誰かがテロ組織に内通していると睨みます。
その裏で、テン・リングスが襲った村を救うべく、単身マーク3を着込んでアフガニスタンの空に飛び込んでいきます。
パワードスーツ・マーク3の圧倒的な力でテン・リングスをねじ伏せたトニー。
単身乗り込んではバッタバッタと敵をなぎ倒す姿は、あまりにも爽快です。笑
その後空を飛んでいたら、無許可の飛行としてアメリカ空軍にあわや撃ち落とされそうになりますが、親友のローディのはからいでここも事なきを得るのでした。
空飛ぶパワードスーツの正体がトニーだとわかった時のローディのあの笑顔がたまらなく良い…。笑
きっと昔からローディはトニーに、こんな風にずっと驚かされ続けていたんだろうなあ、と思います。
③裏切りとアイアンマンの誕生|オバディアとの決戦
オバディアの裏切り
トニーの内命を受けたペッパーは、スターク社の乗っ取りを目論む会社のナンバー2・オバディアがテン・リングスと繋がっていることを掴みます。
スターク社の兵器を横流しして莫大な利益を得ているどころか、冒頭のシーンでトニーの暗殺を命じたのも、このオバディアでした。
今まで会社のナンバー2としてトニーの隣で笑っていたのに、なんてやつでしょうね。
ペッパーは以前から接触してきていたフィル・コールソンに協力を求め、オバディアの計画を阻止すべく動くことに。
トニーとペッパーにすべてを知られたオバディアは、トニーを不意打ちして、トニーの胸の中にあるアーク・リアクターを強奪。
自身が開発したパワードスーツ”アイアンモンガー”を起動させます。
一方、アーク・リアクターを奪われ瀕死のトニーは、ペッパーにより保管されていた旧型のアーク・リアクターを装着して何とか復活。
親友のローディにも協力を頼みつつ、マーク3を身にまとい、オバディアの元と向かうのでした。
ペッパーの行動がここでトニーの命を救うことにつながるとは…!
ギリギリのところでローディも駆けつけ、反撃開始です。
パワードスーツ同士の戦い
オバディアの元へと駆けつけたトニー。
オバディアの身にまとう、巨大な”アイアンモンガー”と、トニーの”マーク3"とのパワードスーツ同士で激しい戦いを繰り広げます。
その戦いは街の人々をも巻き込み、オバディアは「無もなき犠牲は必要だ」とたまたまそこに居合わせた車をトニーに投げつける始末。
完全に悪役ムーブを地で行ってくれます。
めちゃめちゃ高笑いしてしまっているし、人は大きな力を手に入れた時こうなってしまうのか…と冷たい目で見ざるを得ません。最初にスーツを開発した時、こうならなかったトニーはやはりベースが違っていたのかな…。
旧型のアーク・リアクターを装着しているが故にパワー的に不利なトニーは一計を案じ、高く高く空へと舞い上がります。
トニーの努力虚しくオバディアに追いつかれた…、かと思いきや、オバディアのスーツは凍結対策を施しておらず、一気にパワーダウン。そのまま地に落ちていくのでした。
事前に「歩く前に走った」トニーの大勝利ですねこれは。
相当な高さから落ちたはずなのに、一命を取り留めたオバディア。
すでにパワーがほぼゼロとなったトニーは迎撃することも出来ずピンチに陥りますが、最終的にはペッパーと協力し会社の巨大なアーク・リアクターのエネルギーをオーバーロードさせ大爆発させることで、オバディアの撃退に成功。
トニーは無事生還するのでした。
”I am Iron Man”
さて、そんなオバディアとトニーの戦いを機に、マスコミは謎のアーマーを着たヒーローを”アイアンマン”と名付け、大騒ぎ。
アイアンマンの登場と同時に、スターク社の施設が爆発を起こしたことから、”アイアンマンの正体がトニーなのでは?”という疑惑が持ち上がっていることを受け、記者会見を開くことに。
ローディやコールソンはトニーの正体がバレることが無いよう一計を案じ、アリバイも前後関係も完璧な”メモ”の通り話すようトニーに要請します。
こうしてマスコミの前に立ったトニー。そして、あまりにも有名なあのセリフを口にするのでした。
私がうわさ通りにスーパーヒーローだとでも言いたいのか?
そんな話は突飛だし、カッコ良すぎる。
どう見ても私はヒーローなんて柄じゃない。何しろ、性格は欠点だらけ。数々の過ちも知れ渡っている。
真実は…
私がアイアンマンだ。
言っちゃったーーー!!
絶対なんかやらかしそうな表情していたけど、言っちゃったよーーー!!笑笑
…とまあ見ているこちらの情緒がかき乱されたところで、映画は幕を下ろし、エンドロールに入ります。何だこの幕切れ、カッコ良すぎるでしょう。
かくして、アイアンマンが誕生。
物語は「アイアンマン2」へと繋がっていくのです。
あれだけローディとコールソン、ペッパーが良い含めたにもかかわらずやりやがったな、トニー・スターク!笑
こういう”トニー節”に、徐々にこちらとしては惹かれていくんですよね…
ポストクレジット:アベンジャーズへの示唆
エンドロール後、短いポストクレジットシーンが用意されています。
場所はトニーの自宅。記者会見を終えたトニーに、戦略国土調停補強配備局ー改め、「S.H.I.E.L.D.(シールド)」の長官ニック・フューリーが接触。
「自分だけがヒーローだと思っているのか?」と挑戦的なセリフを吐きつつ、「アベンジャーズ計画の話をしにきた」とワクワクするようなセリフを言い残して、映画は終わりを告げるのでした。
マーベルMCUシリーズでは、このミドルクレジット・ポストクレジットで次回作に繋がる重要なシーンを挟む…というのがお家芸の一つ。
その第一作である「アイアンマン」から、ここまで観客の心を掴む、先が楽しみになるようなシーンが用意されている、というのも憎いところですね。笑
ついに姿を表したS.H.I.E.L.D.、そしてアベンジャーズ計画…!
早く続きが見たくなりますね~!!
総合的な感想
マーベルMCU作品一作品目として、これ以上ないほどよく出来た素晴らしい映画だと、何度見ても思います。
冒頭のアフガニスタンのシーンから、華やかなトニーの生活、その人生の転機と挫折・成功を描き、空を舞うスーパーヒーローが誕生する。
スーパーヒーロー誕生のきっかけは色々あり、中でも「生まれながらにして特別な使命(もしくは力)を持っていた」というケースが定番ではありますが、トニーは違った。
アイアンマンは自ら形作った手作りのヒーローなのです。
そのことを一つの映画を用いてたっぷりと描き、トニーという人物を印象付けた。
シリーズの第一作品目としても完璧ですし、単に一つの映画としても起承転結のリズムと展開が楽しく、100点満点の出来です。
だからこそ、のちのMCUシリーズ、アベンジャーズの成功があるのだと思います。
初めてマーベルMCUシリーズに足を踏み入れようと決意して、最初にこの「アイアンマン」を見た時の衝撃は未だに忘れられません。
こんなにも面白い物語を、私は今までの人生で放っておいたのか、というあの衝撃。
この時のショックがあるからこそ、今に至るまでずっとマーベルMCUの世界にどっぷり浸ることが出来ているのだと思います。
改めて見返してみてもその思いは変わること無く、むしろ見れば見るほど惹かれていくのが分かりますね…!笑
最高の映画でした。楽しかった。
まとめ
今回の記事では、映画『アイアンマン』について、ネタバレ感想をお届けしました。
- マーベルMCUシリーズの記念すべき第1作
- 自ら作り上げた“手作りヒーロー”としてのアイアンマン誕生物語
- 洞窟でのマーク1制作や、マーク2〜3開発シーンが名シーン揃い
- 「I am Iron Man」で締めるラストがあまりにもカッコいい
- ポストクレジットでアベンジャーズ計画に触れ、シリーズへの期待を煽る
BeePlus【びーぷらす】では、他にもマーベルMCU作品の解説、ネタバレ感想&考察を行っているため、合わせてチェックしてみてください~!
また、マーベルMCUの作品一覧については以下記事にまとめています。
「どこから見ればいいの?」「どんな順番で楽しめばいいの?」とお悩みの方は、ぜひこちらも見てみてください。


