実写『白雪姫』ネタバレ感想&考察|衝撃の改変と賛否の声。原作ファンが本音で語る感想と違和感

こんにちは、ゆーです!
今回の記事では、2025年3月日(金)に公開されたディズニー実写映画「白雪姫」についてネタバレありで映画の感想&考察をお届けします◎
ディズニー長編アニメーション映画の”原点”である作品「白雪姫」をミュージカル映画として実写化した本作品。
原作アニメの公開は1937年なので、およそ88年のときを経て実写化されたこととなります。
そんな実写版「白雪姫」について、原作との違いや正直な感想を詳しくネタバレありでお届けします◎
原作「白雪姫」を愛するディズニーファン目線で、かなりぶっちゃけた感想をお届けさせていただきます…!
映画概要・あらすじ『白雪姫』
劇場公開日 | 2025年3月20日 ※日本 | ||
---|---|---|---|
監督 | マーク・ウェブ | ||
原題 | Disney's Snow White | ||
上映時間 | 109分 |
『美女と野獣』『アラジン』のディズニーが、その魔法の“原点”を新たなミュージカル映画として実写化! 純粋な心を持つ白雪姫の願いは、人々が幸せに暮らす希望に満ちた王国。だが、外見の美しさと権力に執着する邪悪な女王によって、王国は闇に支配されていた。女王は、白雪姫の“本当の美しさ”に嫉妬し、彼女の命を狙うが、不思議な森で出会った7人のこびとたちや、城の外の世界へいざなってくれたジョナサンに救われる。誰もが希望を失いかけた時、仲間たちと力を合わせ、白雪姫の優しさが起こした素晴らしい奇跡とは・・・?
実写版「白雪姫」はディズニープラスで配信中
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【ネタバレ感想】
以下より物語のネタバレを含みます
①”善きもの”が育つ幸せな王国とその荒廃
物語の始まりは、大きな美しい一冊の本。
お決まりの「Once Upon a time…」のセリフから始まります。
幸せだった王国と今
絵本のページを捲るようにナレーターにより物語が語られ、白雪姫が誕生するシーンから実写へ。
ある冬の夜 嵐が吹き荒れ王国は雪と氷に閉ざされました
嵐は幸せを運んできました
お姫様が生まれたのです雪の日に生まれた娘は”白雪姫”と名付けられました
原作では「雪のように白い肌をもつ」から白雪姫という名前でしたが、実写版ではその由来から異なるようです。
そして白雪姫が育つにあたり、両親は将来的に白雪姫に国を率いるよう教え、「Good Things Grow」の音楽に合わせて国の良さや指導者としての心得を伝えていくのです。
この一曲はなかなか良かったですね!
明るい気持ちになるような曲調で、大勢の人が歌い踊るシーンはまさにミュージカルの醍醐味だと思います。
しかしその幸せも長くは続かず、程なくして白雪姫の母親は他界。
後にやってきた再婚相手の継母がやってきて、その後戦争に出かけた父親も姿を消してしまう。
その後一人残された白雪姫は、ぼろを着せられ、城の中に閉じ込められ、次第に国の人達も白雪姫の存在を忘れ去っていくのでした。
原作には無かった白雪姫の生い立ちのシーンが追加された冒頭。
まさか映画開始1分40秒で原作の重要な設定(白雪姫の名前の由来)が覆されるとは思わず、唖然とはしました。←
邪悪な女王の台頭とジョナサンとの出会い
時が経ち、女王が支配する国は以前とは異なる姿に。
そんな折、白雪姫は城の中で掃除をしているときに、盗人の男性・ジョナサンと出会います。
「今の国では満足に食事もできない」と女王の国政を批判しつつ、生活のために盗みを行うジョナサン。
その後衛兵に見つかり捕まってしまったところを、白雪姫は助けるのでした。
ジョナサンとの出会いをきっかけとして、心が動き始める白雪姫。
「このまま女王の思うままにさせて良いのか?」と胸の内を歌います。
ここで白雪姫が歌う「Waiting on a Wish」もまた良曲。
まあ、白雪姫のイメージに合うか?と言われたら若干謎ではありますが、緩急のあるメロディに乗せて力強く歌い上げるシーンはシンプルに良いと思います。
再び原作には全く存在しなかった”ジョナサン”という人物が登場。
かなり印象的な登場の仕方なので、これはきっと今後また白雪姫と関わるんだろうなあ~と想像しながら先に進みます。
命を狙われた白雪姫は森へ
一方女王はいつものように鏡に問いかけます。
「魔法の鏡よ、この世で一番美しいのは誰?」
いつもなら「女王様だ」と答える鏡ですが、この日はいつもと異なりました。
あなたは誉れ高き美女
しかし、世の中に目覚めた美しい乙女が見える
あふれ出るその気品
彼女はあなたよりも美しい
これに腹を立てた女王は、その日の内に狩人を呼びつけ、白雪姫を暗殺するように依頼。
翌日、狩人によって森に連れ出された白雪姫は殺されかけますが、すんでのところで思いとどまった狩人によってなんとか難を逃れ、森に逃げ込むのでした。
「彼女はあなたよりも美しい」という言葉だけで、よく白雪姫のことだと分かったなあ、女王様。
人違いだったらどうする気なんだろう…と全然関係ないことを考えていました。←
鏡もはっきり白雪姫と言えば良いのに。
小人と盗賊たちとの出会い
7人の小人との出会い
森に逃げ込んだ白雪姫は、動物たちに導かれ森の中に佇む小さな小屋を見つけました。
その小屋の主は、7人の小人たち。
小人たちと出会った白雪姫はすぐに皆と仲良くなり、小屋を掃除したり料理を楽しんだりと楽しい時間を過ごします。
一方、白雪姫が生きている事を知った女王様は怒り狂い、狩人を投獄し城で「All Is Fair」という楽曲を歌い上げます。
この曲も良かったですね!
女王様の明らかに美しさに酔い狂っている様子がとても良くわかる一曲。本作品の中で一番好きなシーンでした。
小人たちとのシーンでは、ほぼ唯一とも言える原作の楽曲「Heigh-Ho」と「Whistle While You Work」も使用されます。
ただまあ、「Whistle While You Work」のシーンは原作とは異なるシチュエーションで、正直白雪姫が全く働かない様子が気になった……。
小人たちとの別れと盗賊たちとの出会いと再会
小人たちとのひとときを過ごした白雪姫ですが、気にかかるのは国のことと、たまたま出会ったジョナサンのこと。
白雪姫は、どうやらジョナサンは前国王=白雪姫の父親を旗印に盗賊として活動しているらしい、という事実を知り、小人たちと別れジョナサンを探す事を決意します。
白雪姫が森に繰り出すと、ジョナサンがふわりと登場。
「父を探したいから力を貸してほしい」という白雪姫に対し、「自分のことが一番大事だ、まわりはどうでもいい」とたしなめるジョナサン。
二人の意見は一致しないものの、そのままジョナサンの仲間と合流します。
しかし衛兵に見つかり攻撃を受け、ジョナサンは白雪姫をかばって負傷してしまいます。
そんなジョナサンを救うべく、白雪姫は再び小人たちの家へ。
小人たちのうちの一人、”先生”の力により無事ジョナサンは回復するのでした。
意外とすんなりジョナサンと会えた白雪姫。その後負傷したジョナサンを救うべく、今朝方別れたばかりの小人たちの家にあっさり戻った白雪姫。再会までのタイミング早かったなあ…。
白雪姫はジョナサンと恋に落ちる
ジョナサンの回復を祝い、小人たちと盗賊グループは宴を催します。
ここで用いられた楽曲が、原作でも使用されている「The Silly Song」。
原作とは用いられ方が異なり、歌い踊る…というよりは背景でなんとなく流されているだけのような雰囲気でした。
そして白雪姫とジョナサンは恋に落ちます。
オリジナル楽曲「A Hand Meets a Hand」のメロディに乗せ、お互いの気持ちに気づき、その気持を確かめ合うのでした。
「The Silly Song」のBGM的な使われ方はどうなんだろう。
女王の陰謀とその末路
毒リンゴとジョナサンの捕縛
幸せなときもつかの間。
女王が放った衛兵に見つかりかけ、陽動のためジョナサンたち盗賊グループが出動。
ジョナサンは衛兵に捕まってしまいます。
一方女王は白雪姫をその手で殺すべく、毒リンゴを持ち老婆の姿に変身。
正体を悟られることなく白雪姫に近づき、見事毒リンゴを食べさせることに成功しました。
薄れゆく意識の中、高らかに笑う老婆は自らが女王であることを告白。
ついでに、かつて白雪姫の父親を殺したのも自分であることを告白し、その場を立ち去るのでした。
女王様、意外とあっさり正体明かしちゃうし、過去の罪告白しちゃうのびっくり。
ジョナサンの逃走、そして白雪姫復活
お城の牢獄に囚われたジョナサンは、白雪姫のことが気にかかり、なんとか自力で牢を脱出。
白雪姫のもとに駆けつけますが、すでに姫は毒リンゴにより意識を失っていました。
涙するジョナサンでしたが、その口づけにより白雪姫は復活。
原作ではこのまま「めでたしめでたし」となる展開ですが、小人の一人に「これからどうする?」と問われた白雪姫はこう語ります。
昔お父様が言った 私は吹雪を恐れなかったと
その少女は今も私の中にいるの?
お母様もお父様ももういない
でも二人は願っていた
いつか私がこの国を率いてゆくことを
こうして立ち上がり女王を倒すことを心に決めた白雪姫。
7人の小人、ジョナサン、そして盗賊グループの仲間たちとともに国に戻るのでした。
原作「白雪姫」の山場であるキスのシーンが意外とあっさり描かれたなあ!という印象。
自力で鎖をぶっ壊せるジョナサン、強い。
女王との対面とフィナーレ
国に戻った白雪姫。
国の人達は白雪姫のことを忘れ去っていたはずですが、直接自らの足で舞い戻った白雪姫の姿を見て、かつての姿を思い出したようです。
そしてついに女王と対面。
女王は衛兵に命じて、今度こそ大衆の前で白雪姫を殺すよう伝えますが、白雪姫は衛兵たちに呼びかけます。
「あなたはパン屋だったはず。あなたは農家だった。」と。
白雪姫は兵士一人ひとりの名前を覚えており、そればかりか人々の背景まですべて覚えていたのです。
これに心を動かされた兵士は一転、白雪姫の味方に。
後が無くなった女王は逃走。最終的には鏡を自らぶっ壊し、その鏡の中に吸い込まれて消えてしまうのでした。
こうして晴れて国の統率者となった白雪姫。
むかしむかし
立派な女王が治める平和な国がありました
彼女は信じていました
本当の美しさは宝石ではなく、人々の心にあると
彼女は愛を持って国を治めました
おそれを知らず公平で、勇敢で誠実な人でした
彼女の名前は”白雪姫”
こう語る小人のうちの一人”おとぼけ”のナレーションと、「Good Things Grow」のフィナーレ版の楽曲で物語は幕を閉じます。
原作と実写版との違いと感想
ストーリー構成の大幅すぎる変更に戸惑い
さて、ここまで実写版「白雪姫」の物語について振り返ってきましたが、正直なシンプルな感想としては、あまりに原作版とストーリーが変わりすぎて衝撃的でしたね…。
美しく、儚く、白馬の王子様を夢見て、その美しさ故に命を狙われるも、その純真な心と美しさにより小人たちと出会い、最終的には王子様と再会して幸せになった白雪姫。
一方実写版は、美しく、までは同じだとしてもそれ以外の要素がもうまるっきり違う。
自分の幸せを白馬の王子様との出会いに委ねるタイプでもないし、小人たちと出会った際も純真さや美しさではなく、小人たちを”導く”ことで己を主張する。
こんなふうに、実写版はどちらかと言うと”リーダーシップ”と”強さ”が強く描かれた白雪姫でしたが…。
そもそもそれって白雪姫なんでしょうか。
ディズニーにおける「白雪姫」というのは、単なる映画ではありません。
世界で初めて長編アニメーション映画として世に送り出された作品で、ディズニーとしても当然第一作品目となる象徴的な作品です。
そこで描かれたのは、白雪姫の美しさと、夢。
そして愛が命を救うというディズニーの”根源”とも言える物語。
そう、全てはここから始まっているんです。
それを実写版では大きく変えてしまった。
変えてしまった、どころか、原作で良いとされていた部分を全てぶっ壊し、再構成し、それをあまつさえ”実写化”として売り出している。
一体どうしたらこういうことになるのか…と疑問しかありません。
実写化にあたり、物語に深みをもたせたり違和感をなくすために背景を付け加えたりするのは良いと思います。
でも、”根本”の部分を変えるのは、ちょっと何がしたいのかよくわからないとしか言いようがありません。
原作の楽曲もほぼ用いられず
王子様が迎えに来てくれることを夢見ていた白雪姫が存在しない以上もはや当たり前なのかも知れませんが…
実写版では、原作で用いられていた有名な、白雪姫を象徴するような楽曲がほぼ用いられませんでした。
- 私の願い(I'm Wishing):白雪姫が井戸に願いをかけるシーンの歌
- ワン・ソング(One Song):白雪姫と王子が出会うシーンの歌
- 歌とほほえみと(With a Smile and a Song):白雪姫が動物たちに語りかける歌
- ブラドル・アドル・アム・ダム(Blludle-Uddle-Um-Dum):小人たちが手や身体を洗う歌
- 小人達のヨーデル(The Dwarfs' Yodel Song (The Silly Song)):7人の小人が白雪姫に贈る歌(一部使われているものの、ほぼリストラされている)
- いつか王子様が(Someday My Prince Will Come):白雪姫が王子様を夢見るシーンの歌
正直、白雪姫の代名詞とも言うべき「いつか王子様が(Someday My Prince Will Come)」がリストラされているのには驚きました。
まあ、王子様を夢見る白雪姫が存在しないのと同時に、王子様も存在しないため、実写版の展開では使いようが無かったのだと思いますが。
もはや「いつか王子様が」を使わない時点で、もうその作品は「白雪姫」であるとは言えないのでは無いでしょうか。
白馬の王子様はもう古い?
王子様を夢見る白雪姫では無くなってしまった理由は何なのでしょうか。
白馬の王子様を夢見るのは、もう古く、受け入れられない考え方なのでしょうか。
確かに、白雪姫が最初に公開された1937年から、世界は大きく色を変えました。
かつては家に入ることが当たり前だった女性ですが、時代が変わり、考え方が変わり、妻や母としてだけではなく一人の人間として、社会に繰り出すことが今となっては当たり前になりました。
その事自体は良いと思います。
ただ、その”時代の流れに合わせる”という大義名分は、美しい物語の根幹をぶっ壊してよいほどのものなのでしょうか。
私はかつてディズニープリンセスに憧れる子どもでした。
どのプリンセスも好きでしたが、とりわけ白雪姫は物凄く幼心にまっすぐ響き、「いつか素敵な王子様が私を迎えに来てくれる」というのは、わかりやすく輝く憧れとして存在していました。
いくら時代が変わろうと、世論が、状況が変わろうと、その美しい物語は廃れることなく。
むしろ今だからこそ、あえてかつての物語をそのまま、美しい形のまま蘇らせることが必要だったのではないでしょうか。
白馬の王子様を夢見るだけの女性は、もう古いのかもしれない。
それでも、決して全く受け入れられないということは無かったはずだと思います。
それを、簡単に、いとも簡単にぶっ壊しているこの作品は、一体何なんだろうと思わずにはいられません。
背景が不透明で一貫性の無いキャラクターたち
元々の原作の良かった部分をぶっ壊している時点で色々すでに言ってしまいましたが、その点を差し引いたとしても実写版「白雪姫」には突っ込みどころが多くあります。
その中でもとりわけ、主要登場人物たちが何がしたいのか?が本当によくわからない。
メインどころの3名を挙げてみました。
いまいち背景が見えてこないジョナサン
まず、ジョナサン。
実写版「白雪姫」では、白雪姫の王子様にあたる立場として登場しますが、その正体は盗賊グループの長。
女王の治世に不満はありつつも、その日自分が暮らすために森に潜み盗みを続けている…と語られますが、それだけなんですよね。
そもそもなぜ暮らしに困る状態になっているのか。
国の大部分の人は、女王の治世になっても家までは失っていないのに、なぜジョナサンは森に住む羽目になっているのか。
そこで生きるために選んだ手段がなぜ盗みだったのか。
そのあたりの背景がほとんど語られることなくフィナーレまで進んでしまうので、この人物が、なぜ女王の治世に不満があるのかが全く見えてこないんですよね。
ついでに、ジョナサンの盗賊の仲間たちについても同様です。
なぜあなたたちは森に住んでいるの。
第一、この国で生きていけないなら他の国にでも行けばよかったのでは。
この辺が全然わからないので、ジョナサンたち一味に関しては「何だかよくわからんが森に住んでいて、白雪姫に手を貸してくれる人たち」としか認識できませんでした。
全然感情移入ができない。
いくらなんでも見通しが甘すぎる女王様
次に女王様。
女王様、いくらなんでも見通しが甘すぎるんですよ。
まず狩人に白雪姫を殺させようとしたシーン。
証拠として箱の中に白雪姫の心臓を持ち帰るよう指示するところまでは良かったんですが、結局狩人が白雪姫を殺せず、代わりにりんごを入れて帰ったことに、なぜ鏡が指摘するまで気が付かないの。
原作では代わりに豚の心臓を入れているので、まあ鏡に言われて初めて気がつくのも納得できるのですが、実写版、いくらなんでも心臓とりんごは違いすぎる。
拍動していない時点で何故気が付けないんでしょうか。詰めが甘すぎます。
次に毒リンゴを作るシーン。
解毒法が「愛する人のキス」であることに気がつくんですが、「まあジョナサン捕まえてるし大丈夫か」という考えでそのまま決行しちゃうわけです。
結局ジョナサンには逃げられるし、たぶん逃げられたことにも気がついていないし、生きている白雪姫見て愕然としちゃっているし、えええ…。
唯一の解毒法であり懸念事項はジョナサンの存在なわけなので、単に捕まえておくだけではなく、さっさと命を奪ってしまうべきです。←
なぜ白雪姫の父親に対してはそれをやったのに、ジョナサンに対しては謎の情けをかけているのか?が全く理解できません。何をしているんだ。
そして、白雪姫に毒リンゴを食べさせた後のシーン。
女王様、せっかく変身までしたのにあっさり正体ばらしてどうするの。
しかも父親を殺したこともあっさり白状してしまうし、結局白雪姫はそれを知って立ち上がっちゃうわけわけなので、大失敗です。
総じて見通しが甘すぎる。
最終的にも鏡に吸い込まれるのも完全に自爆ですし、何だか邪悪な女王様のイメージと行動が明らかにかけ離れていてもうよく分かりません。
もっと邪悪に振る舞ってほしい。
終始行動に一貫性が無い白雪姫
そして一番一貫性が無いのが、白雪姫。
あなたは本当に何がしたいんだ。
冒頭、国のことを憂いてこのままで良いのかと歌い上げる。まあ分かる。
森にりんごを取りに狩人に連れ出されて、無邪気にりんごを摘む。分からない。
せっかく城から出れたのだから、国の人達のもとに行くべきでしょう。さっきまで歌っていたあの気持はどこへ行ったの。
小人たちに出会い、喧嘩をたしなめて皆で掃除をするよう指示する。分からない。
勝手に押しかけて泊まらせてもらっているのだから、小人たちにやらせるのではなく自分も一緒にやるべきなのでは。
というか、原作はそうしていたはず。
突然の上から目線は何なのでしょうか。
父親を探すためジョナサンを探すも、ジョナサンが怪我をしたから小人たちの家に舞い戻る。うーん、ギリギリ。
今朝あれほどの決意とともに別れたばかりなのに、この変わり身の速さは何なんだ、とは思わなくはない。
ジョナサンと恋に落ちるも、衛兵に立ち向かおうとするジョナサンを止めずに、自身は小人の家に引きこもる。全くわからない。
前日は自分で繰り出そうとしていたのに、その心の変化は何でしょうか。
むしろ、ジョナサンを想って一緒に立ち向かうところじゃないの?
その結果女王様に毒リンゴを食べさせられてしまっているわけなので、どうしてそうなった?と思います。
最終的にはジョナサンのキスで目覚めて国を救うために立ち上がるのですが、ここまでの白雪姫を振り返ると…
- 女王が怖くて逃走したり
- 小人たちと出会ってのんびり楽しく過ごしたり
- 国を想って小人たちの家を辞去したり
- ジョナサンを想っていたり
- かと思えば急に何もしなくなったり
…ともうその行動の根拠がよくわからず散々に振り回された後なので、ここで決意とともに立ち上がられてもこちらはついていけていません。
うん、なんかもう、頑張れ、と思って見ていました。
恐らく、原作らしい白雪姫の純真さを中途半端に残しつつ、でも実写版として白雪姫のリーダーシップや強さといった要素を入れた結果、どっちつかずのよくわからないキャラクターが誕生してしまったのかなと思います。
その結果、見ているこちらとしては終始「お前は何がしたいんだ」状態になってしまったので、当然共感などできるはずもなく。
挙げ句ラストシーンもあっさり女王様が自爆してしまったので、ああ、そうか、という気持ちになりました。
総じて、各キャラクターの背景をもっとくっきり描き、その行動の意図をはっきり示してくれれば、より納得感が生まれ共感できたのではないかと思います。
他にも気になる細かい部分
キャラクターに関する部分の他にも、作品の中には思わず「んん?」と思ってしまうような細かい気になる部分がありました。
あまり詳しく書くと長くなるので、箇条書きで簡潔に書いておこうと思います。
まとめ
今回の記事では、ディズニー実写映画『白雪姫』について、ネタバレ感想をお届けしました。
- 映像美と楽曲の完成度は高く、ミュージカル映画としての魅力はある
- 物語の根幹やキャラクター設定画原作とは大きく異なる
- 白雪姫の象徴的な楽曲や「王子様」の要素が削られ、原作ファンとしてはかなり困惑
- 原作要素を抜いたとしても、分かりにくい部分や感情移入がしにくい部分があり、作品全体として違和感が残る
映像は綺麗。歌は良い。
以上です。
原作ファンの目線からすると、どうしてこうなった…?としか思えない作品だったなあ、と思います。
ぜひ実写版ホーンテッド・マンションのように、10年くらい経った後に、実写版のリメイクをしていただけると良いなと思います。
実写版「白雪姫」を見た後は、ぜひ原作版を改めてチェックしてみてください。
また、同じく2025年公開の実写映画「リロ&スティッチ」についてもネタバレ感想記事を上げています。
合わせてチェックしてみてください。