『アバター』ネタバレ感想&考察&ストーリー解説|パンドラの美しさが“心を変える”理由

こんにちは、ゆーです!
2009年に公開された大ヒットSF映画『アバター』。当時3Dで観て衝撃を受けた方も多いと思いますが…今観ても、あの“世界の美しさ”は全然古くないんですよね。
舞台は、地球から遥か彼方の惑星パンドラ。
アバター計画に参加した元兵士ジェイクは、ナヴィの身体を得て“もう一度歩ける”喜びを知り、やがて森の神秘とナヴィの生き方に触れていきます。
でもその裏で、人間側は資源採掘のために強硬手段へ——。
この記事では、ストーリーを結末まで振り返りながら
- ジェイクの心が変わっていった理由
- パンドラという世界が持つ説得力
- ナヴィと地球人の対立が突きつけるもの
まで、ネタバレ込みでじっくり語っていきます!
2009年公開の大ヒットSF映画!
第一作品目のストーリーを振り返っていきましょう~!
映画概要・あらすじ(アバター)
| 劇場公開日 | 米:2009年12月18日 日本:2009年12月23日 | ||
|---|---|---|---|
| 監督 | ジェームズ・キャメロン | ||
| 制作 | ジェームズ・キャメロン ジョン・ランドー | ||
| 上映時間 | 162分 | ||
22世紀、人類は地球から遠く離れたパンドラで<アバター計画>に着手していた。この星の先住民ナヴィと人間のDNAを組み合わせた肉体<アバター>を創ることで、有毒な大気の問題をクリアし、莫大な利益をもたらす鉱物を採掘しようというのだ。この計画に参加した元兵士ジェイクは車椅子の身だったが、<アバター>を得て体の自由を取り戻す。パンドラの地に降り立ち、ナヴィの族長の娘ネイティリと恋に落ちるジェイク。しかし彼はパンドラの生命を脅かす任務に疑問を抱き、この星の運命を決する選択を強いられていく…。
【ネタバレ感想】映画『アバター』を振り返る
以下より物語のネタバレを含みます
①”パンドラ”と<アバター>との出会い
”パンドラ”とアバター計画
舞台は地球から遥か遠く離れた惑星・パンドラ。
地球のエネルギー問題を解決する希少な鉱物を採掘するために人類がパンドラに進出して、しばらくが経過した後。
人類はパンドラの現地民・ナヴィと接触して鉱物採掘の交渉をすべく、地球人とナヴィのDNAをかけ合わせた人造生命体に、神経を接続する捜査員の意識を憑依させた”アバター”を作り出します。
そして、アバターを用いてナヴィと交渉を進めようとする「アバター計画」を進めるものの、ナヴィはいかなる対価にも興味を抱かず、その計画は遅々として進んでいませんでした。
そんなアバター操作員の一人だった人物が急死。
高額なアバターを無駄にしないよう、その操作員の一卵性の双子の弟だった元海兵隊員のジェイクに白羽の矢が立ちます。
ジェイクは戦争の傷で足が動かなくなり、車椅子が手放せない生活を送っていました。
そんな下半身を治すための治療費を得るべく、ジェイクはその誘いに乗り、パンドラへと旅立つのでした。
冒頭のシーンでいきなり明らかに地球ではない惑星の映像が映し出される…、という始まり方!
これぞSF!というべき設定にわくわくします☺️
パンドラ到着と<アバター>との初リンク
およそ6年のコールドスリープを経てパンドラにたどり着いたジェイク。
ナヴィ研究の権威であるグレイス博士の素で、操作員として任務につくことになります。
そして迎えた初リンク。
ジェイクの神経は問題なく兄のアバターとリンクに成功し、仮の体とは言え、自らの足で自由に動けることに大きな喜びを覚えます。
この初めてアバターの体で走り回るジェイクの様子がとても良いんですよね…!
現実世界ではもう一切思うように動かない足が、仮の肉体では思うがままに動かせる。
土の感触も感じられるし、自らの肉体を自らの思う方向に進めることができる。
それがどれほどの喜びなのか…、をナヴィの体で存分に表現されていて、見ているこちらも嬉しくなるシーンでしたね。
さて、グレイス博士はアバター計画の責任者。
これまでもナヴィと接触を続け、英語を教えたり様々な物資を分け与えたりして、大きな進捗は無いものの少しずつ少しずつナヴィとの信頼関係を築いていました。
一方、傭兵部隊の体調・クオリッチ大佐と会社の責任者・パーカーはそんな状況に苛立ちを隠せません。
特に二人はナヴィを”未開人”と評し、蔑視。
このまま交渉が進まないのであれば、強硬手段に出てしまえ、という考えの持ち主でした。
ジェイクはそんなクオリッチ大佐・パーカーに、新しい足のための治療費が欲しければ、アバター操作員としてグレイス博士の元で働きつつ、クオリッチ大佐・パーカーと内通し有力な情報を伝えるよう持ちかけられるのでした。
パンドラの自然とそこに住む人々を重要視する研究者と、それを蔑視し利益をとにかく追求する兵士・会社側。
その対立構造が徐々に明らかになっていきます。
②オマティカヤ族のナヴィとの出会い
ナヴィに助けられオマティカヤ族の元へ
ある日アバターを使ってパンドラの調査を行っていたジェイクは、現地の動物に襲われたことで仲間とはぐれ、一人パンドラの森に取り残されてしまいます。
その夜、動物に襲われあわや命を落としかけたジェイク。そんな彼を救ったのがオマティカヤ族のナヴィ・ネイティリでした。
初めは余所者のジェイクを殺そうとしたものの、ナヴィの神である”エイワ”のお告げを得て、一転命を救うことにしたと言うネイティリ。
そして彼女はジェイクをオマティカヤ族の村に連れていき、部族のリーダーである彼女の両親に引き合わせるのでした。
これまでオマティカヤ族の面々は研究者とは接してきましたが、ジェイクは元海兵隊員。
それ故に、今まで接触してきた地球人とは異なる印象を持たれ、ネイティリからナヴィの生き方を学ぶことになるのでした。
ネイティリがジェイクを村に連れて行く時の、夜のパンドラの森の美しいこと…!
紫色に彩られ、淡く発行する草花や虫たち。歩くたびに光の色合いも変わり、何が起こるか分からない恐ろしげな森でありながら、あまりに幻想的な世界で、ジェイクがうっとりしてしまうのも納得です。
渋々ながらもジェイクにナヴィの生き方を教えることを了承したネイティリ。
二人の新たな日々が始まります。
ナヴィのハンターとしての生き方を学ぶ
ジェイクはオマティカヤ族のハンターとしての修行を積む過程を通し、ネイティリからナヴィとしての生き方を学ぶことに。
星全体を取り巻く大きな自然と連鎖の中で生きるその生き方は、欲しいものを容赦なく奪い、最終的に環境破壊によって星そのものを草木の生えない瀕死の状況に追い込んでしまった地球人とは全く異なるものでした。
ここで地味に明らかになるのが、この時代の地球の状態。
今の時代でも環境破壊についてはずっとずっと叫ばれていますが、『アバター』の時代においてはそれがもっと加速し、挙げ句草木の生えない星になるところまで行き着いているようです。
主人公ジェイクがパンドラに到着し、その豊かな自然や情景に目を瞠っていたのには、そういう理由があったからなんですね…。
作中では地球についてはほとんど全く描かれませんが、実はジェイクはパンドラに到着して、人生で初めて”自然”というものを見たのかもしれません。
初めはナヴィの生活に馴染むのが難しく、何をやっても失敗ばかりだったジェイクですが、ネイティリの教えにより次第にうまく進めることができるように。
そして、一人前のハンターの証として、イクランという翼の生えた竜と絆を結ぶことに成功。
その飛行中に、ひときわ巨大な翼竜・トゥルークを目撃します。
トゥルークは”空の王者”の異名を持ち、この翼竜と絆を結ぶことが出来たナヴィは太古の昔まで遡っても数人ほどしかいないのだとか。
その乗り手は”トゥルーク・マクト”と呼ばれ、全てのナヴィをまとめる指導者として崇められたのだと言います。
イクランと絆を結び、晴れて一人前のハンターとして認められたジェイク。
それは同時にオマティカヤ族の信頼を得て、正式に部族の一員、彼らの”兄弟”として受け入れられることとなります。
そして、そんなジェイクと一緒に時を過ごしたネイティリとの間には愛情が芽生え、二人は深く愛し合うようになっていたのでした。
ジェイクが初めてイクランに乗って飛行するシーン。あの爽快感たるや…!
美しいパンドラの世界を切り裂いて飛ぶ姿はあまりに見ていて気持ちが良く、ワクワクするもので。
ディズニー映画等でもちょくちょく”初めて空を飛ぶ”シーンがありますが、こういうシーンを嫌いな人はいないんじゃないでしょうか。最高でしたね。
オマティカヤ族の人々がジェイクを見る目が徐々に変わっていくのが分かります…!
ジェイクの思いと<アバター計画>の破綻
当初は人類のため、そして自らの足の治療のためにクオリッチ大佐とパーカーのために動いていたジェイク。
情報提供は引き続き行っていましたが、徐々にその胸の内に変化が現れていることに気が付きます。
まるで、現実の世界が幻想で、アバターのナヴィとして生きる世界が本物であるかのような。
そしてそうであればどんなに良いか、と感じている自分にも気がつくのでした。
一方クオリッチ大佐とパーカーサイドの苛立ちは最高潮に。
頼みの綱のアバター計画は相変わらず進まず、それどころかジェイクの報告によると「ナヴィはすでに満たされており、交渉に応じることはない」ことが明らかになった。
業を煮やした会社サイドはついに強硬手段に訴え、オマティカヤ族の村の地下に眠る莫大な地下資源を狙い、村の襲撃に乗り出そうとします。
これを必死に阻止しようとしたジェイク、グレイス博士でしたが、クオリッチ大佐とパーカーは全く耳を貸さず。
挙げ句彼らはミサイルの雨をオマティカヤ族の村に降り注がせ、村を壊滅させてしまうのでした。
人間の怖さというか醜悪さというか、そういったものをダイレクトに感じられるえげつないシーンでしたね…。
③地球人とナヴィの戦い
村の壊滅と失墜する信頼
オマティカヤ族の村を守れなかったジェイクは、部族、ひいてはネイティリからの信頼を失ってしまいます。
ナヴィサイドから見れば、ジェイクの仲間が自らの村を壊滅させたわけなので、心情としては致し方ないものがありますね…。
ジェイクとグレイス博士のリンクもパーカーたちの手によって中止されてしまい、”人類を裏切った”として投獄されることに。
味方のパイロット・トゥルーディの手助けを経て何とか脱出を果たすも、その過程でグレイス博士が重症を負ってしまうのでした。
トゥルーディが手引して脱走するシーンの鮮やかなこと…!トゥルーディ、めちゃかっこよいです。
トゥルーク・マクト
グレイス博士の命を救うためには、ナヴィの力に頼る他無い。
けれど、ナヴィたちが侵略者である自分たち地球人に力を貸してくれるとは思えない。
そこでジェイクは一か八かの賭けに出ることにしました。
それは、トゥルークと絆を結ぶこと。
自らのイクランとともに空を賭け、トゥルークと絆を結ぶことに成功したジェイクは、伝説のトゥルーク・マクトとしてオマティカヤ族の前に現れ、彼らの信頼を取り戻すことに成功するのでした。
グレイス博士の治療は間に合わず、彼女はそのまま息を引き取ることになりますが、ジェイクは部族の皆に呼びかけ、部族の皆はともにジェイクの下で戦うことを決意。
更にはオマティカヤ族以外のナヴィを巻き込み、トゥルーク・マクトの号令の下で魂の木に集結。
ナヴィたちは心を一つに、侵略者である地球人に対抗することになるのでした。
かつては侵略者の一人だったジェイク。
それが今やナヴィの伝説のトゥルーク・マクトとして、すべてのナヴィたちの先頭にたち、自ら地球人に刃を向ける存在になった。
それほどまでにナヴィが見せてくれた世界が、ジェイクの心の目を開かせてくれたのだろうなと思います。
そんなジェイクの呼びかけにナヴィたちが応えていくシーンは圧巻で、胸が高鳴りましたね…!
いよいよナヴィたちが一致団結。反撃の時です。
戦いの行方
ナヴィたちの魂の拠り所である”魂の木”を破壊すべく進軍するクオリッチ大佐。
巨大ロボット兵器や攻撃ヘリ、爆撃機が一丸となって魂の木を狙って進軍していきます。
迎え撃つナヴィは、ジェイクの指揮のもと空から・陸からこれを迎え撃ちます。
ある程度の進軍を止めることは出来たものの、地球の圧倒的な軍事力の前に倒れ伏しそうになった時、パンドラの動物たちが殺到。
ジェイクの祈りにエイワが応えて、パンドラの動物たちが侵略者である地球人たちに対抗するのでした。
そんな動物たちの増援もあり、戦況は一気にナヴィ側に。
最終的に全ての飛行機を墜落させ、魂の木への攻撃を諦めさせることに成功するのでした。
一方、墜落する飛行機から命からがらロボット兵器を用いて逃れたクオリッチ大佐。
ジェイクのリンク装置があるコンテナ装置に攻撃を加え、妨害するネイティリを跳ね除けてジェイクの命を狙います。
危ういところでナヴィのジェイクが駆けつけ、最終的にはネイティリの矢でクオリッチ大佐の息の根を止めるのでした。
パンドラ現地の動物たちが一気に加勢してくれるシーンが圧巻でしたね…!いいぞ!
個人的にはトゥルーディがこの戦闘で命を落としてしまったのが悲しかったです…。
パンドラのその先
戦いは終わり、地球人たちはナヴィ側の一部の人間を残してパンドラを去ることになりました。
そしてパンドラから地球人たちが消えた後、ジェイクは魂の木の下に赴きます。
今度こそ本物のオマティカヤ族の一員になるために。
ジェイクはエイワの力によって、その意識を完全に人間からアバターの肉体に移し、ナヴィとして新たな生を受けるのでした。
ナヴィとしてのジェイクが目を開けるシーンで、物語は幕を下ろします。
総合的な感想
地球とは全く異なる惑星・パンドラを舞台に描く、シンプルに非常に面白いSF作品でしたね…!
個人的には映画『アバター』は、劇場公開時に3Dで鑑賞し、以降何度かDVDやサブスクで見返していますが、見るたびにその映像の美しさに驚かされます。
自然豊かで、草木が生い茂り、独特の生態系を築く美しい星、パンドラ。
2009年という時代に、これほど魅力的な星を誕生させた、ということがまずもって凄いことだと改めて思います。
3Dブームのピーク時に公開された作品らしく、3D映像の美しさをとにかく全面に押し出している『アバター』。
この映画の前にいくつか3D映画は見ていましたが、3Dで見て感動したのは『アバター』が初めてだったことをよく覚えています。
まだ当時私はほんの小学生でしたが、あのときは本当に驚いたなあ…。
あれから16年という月日が流れているのに、映像技術も何もかも進化しているはずなのに、今見ても全く古さを感じさせず、むしろその美しさに嘆息させられる…。
やはり凄いことですよこれは。
そして物語も分かりやすくってとっても面白いんですよね。
侵略者として未知の世界に降り立った主人公が、徐々に現地の人々に受け入れられ、信頼し、信頼され、愛し、愛される。最終的にその心に触れ、今度は自分がその人々の先頭に経って、自分が元いたコミュニティである侵略者に対抗する。
物語としては割とよくある王道パターンではありますが、その主人公の心が変わっていく背景にあの美しいパンドラがあるのだ、と思うとその根拠も強く、感情移入もしやすいんですよね。
やはりこの作品は、物語も含めてパンドラの美しさがあってこそなのだと思います。
そんなパンドラならではの”常識”や、固有名詞の数々。異世界を描くSFものでは付き物の要素ではありますが、それらの部分も『アバター』は綺麗にうまく説明してくれています。
何より、主人公のジェイクが、映画を見ているこちら側と同程度くらいの知識量からスタートしているのが大きい。
ジェイクがネイティリから学ぶ過程で、見ている私たちもそれらについて学び、理解し、そして感情移入していくことができるんですよね。
強いて言うなら、人類がパンドラに乗り出したそもそもの経緯や、今の地球の状況等、侵略者である地球人サイドの物語がもう少し描かれると嬉しかったな…という部分はありますが、あえてそこを描かない、ジェイク目線で物語を追うというのもまた一興。
下手に地球人サイドの事情を知ってしまったら、最後の戦いのシーンで「見ているこちらはどちらに味方すべきか…」という雑念が入りそうなので(笑)、恐らくそのあたりはわざと描いていないのだろうなと思います。
総じてバランスの良いSF作品で、162分という長さを感じさせない、見て面白い映画だなと思います~!
この先『アバター』シリーズは2作品目、3作品目と続いていきます。
正式にナヴィの一員となったジェイクはその後どういう運命をたどるのか。
一度は撤退した地球人はどう動くのか。
これからも楽しんでいきたいと思います☺️
まとめ
今回の記事では、映画『アバター』について、ネタバレ感想をお届けしました。
- 2009年公開の大ヒットSF。惑星パンドラの映像美が今観ても圧倒的
- 人類の資源採掘計画<アバター計画>に参加したジェイクが、ナヴィの身体で“自由に動ける喜び”を取り戻す
- ネイティリとの出会いと修行を通して、ジェイクは侵略者→守る側へと心を変えていく
- 村の壊滅、魂の木を巡る戦いで、ジェイクは伝説の存在 “トゥルーク・マクト”としてナヴィを率いる
- 終盤はパンドラの生命(エイワ)が呼応し、自然そのものが戦いに参加する展開が熱い
- ラストはジェイクが意識を完全に移し、“ナヴィとして生きる”選択で物語が締まる
- シンプルな王道構造だからこそ、パンドラの美しさが強い説得力になっている一本
『アバター』は、王道の物語を“世界の説得力”でここまで強くしてしまう映画だなあと改めて思いました。
いったん撤退した地球人がこの先どう動くのか、そしてナヴィとして生きることを選んだジェイクの運命はどうなるのか。続編も含めて、またじっくり追いかけていきたいです…!
BeePlus【びーぷらす】では、他にも作品の解説、ネタバレ感想&考察を行っているため、合わせてチェックしてみてください~!


