『ズートピア2』ネタバレ感想&考察&ストーリー解説|ジュディ&ニックの“違い”とバディの絆が刺さりすぎた話

こんにちは、ゆーです!
今回は、ディズニー長編映画『ズートピア』のストーリーからネタバレ感想&考察まで語っていきたいと思います。
ついに公開されたディズニー長編アニメ最新作『ズートピア2』。
前作のその後が描かれる…と聞いて楽しみにしていた方、多いんじゃないでしょうか?
今作は、ジュディとニックの“バディ”としての関係にぐっと踏み込んだ1本。
もふもふワイワイした世界観はそのままに、
- ズートピアからヘビが姿を消した理由
- リンクスリー家が抱えるとんでもない陰謀
- バディにとって本当に大事なものは何か
など、「え、ここまで描くの!?」というところまで攻めてきましたね…!
この記事では、物語の流れを振り返りながら、『ズートピア2』のストーリーからネタバレ感想&考察までを語っていきます。
まだ本編を見ていない方は、いったん映画を楽しんでから戻ってきてもらえると安心です◎
▼前作『ズートピア』のネタバレ感想&ストーリー解説はこちら!
世界で盛り上がりを見せている『ズートピア2』!
その物語を振り返りつつ、ネタバレ感想&考察をお届けします~!
映画概要・あらすじ(ズートピア2)
| 劇場公開日 | 米:2025年11月26日 日:2025年12月5日 | ||
|---|---|---|---|
| 監督 | ジャレド・ブッシュ、 バイロン・ハワード | ||
| 製作 | イヴェット・メリノ | ||
| 上映時間 | 108分 | ||
“もふもふなのに深いメッセージ”で社会現象を巻き起こしたディズニー映画『ズートピア』の最新作。動物たちが人間のように暮らす夢の都市“ズートピア”。頑張り屋なウサギの警察官・ジュディと、皮肉屋だけど根はやさしいキツネのニックは、憧れの捜査官バディとして事件に挑んでいた。ある日、ズートピアにいないはずのヘビのゲイリーが現れたことで、その誕生の裏に隠された驚くべき秘密が明らかに。なぜ、この街には哺乳類しかいないのか?ヘビたちが姿を消した理由とは?ズートピア最大の謎を前に、正反対なジュディとニックの絆が試される―。
【ネタバレ感想】映画『ズートピア2』を振り返る
以下より物語のネタバレを含みます
①うまくいかないバディと事件の始まり
初のウサギとキツネのバディのとして事件に挑むも…
物語の始まりは、前作『ズートピア』が終了した直後。
ニックとジュディは初のウサギとキツネのバディとして、先輩やボゴ署長の言いつけもそっちのけで、自分たちのやり方で事件の捜査に繰り出します。
今回の事件は、密輸。オオアリクイの密輸業者を摘発するため、ニックとジュディはニックの仲間であるフィニックの手を借りつつ、赤子を連れた親子に扮して密輸業者に接触します。
首尾よく証拠を掴んで手柄を挙げようとしたものの、二人が警察官であることが密輸業者にバレて逃走。
激しいカーチェイスの末、見事密輸業者を捕まえることに成功するものの、その過程で”やりすぎた”二人は街を大混乱に陥れてしまいます。
これにはボゴ署長も二人を叱責。
ジュディは密輸業者の捜査中に、ヘビの抜け殻と思わしき証拠品を見つけて確保していましたが、ボゴ署長は二人に当面のすべての事件の捜査を禁じ、”バディセラピー”に出席するよう告げるのでした。
まさに前作の完結の直後から始まる物語!
のっけからニックとジュディの追跡劇…、もといドタバタ劇が繰り広げられ、相変わらずのテンポの良さに引き込まれます。
前作でニックと一緒にアイスの転売を行っていたフィニックも再登場。相変わらず体のサイズを活かして赤子に扮しているあたり、本人も意外と気に入っているのかも…。笑
さて、前作のラストでは見事な連携プレーを見せたニックとジュディですが、この冒頭のドタバタ劇ではうまく息のあわない部分があることを示唆します。
危険を恐れずに自ら突っ込むジュディと、それを止めようとするニック。その結果うまく歯車が噛み合わず、結果街を大混乱に陥れる事になってしまうわけです。
ZPDの新たな(癖の強い)警察仲間も登場し、華やかな冒頭シーンでしたね~!
早速怪しげな”ヘビの抜け殻”というキーアイテムも登場し、物語が始まります。
ヘビの手がかりと”バディセラピー”
ひとまずボゴ署長の言いつけどおり”バディセラピー”を訪れたニックとジュディ。
「二人はどうしてうまく行かなくなったの?」という質問に対し、ジュディは「私たちは上手く行っている」と答えるものの、セラピストのDr.ファズビーに「パートナーに話させず自分から話そうとすること、足をバタバタさせるのはイライラの現れ」と核心を突かれてしまいます。
意外と鋭いぞ、このセラピスト。
さて、ジュディが見つけたヘビの抜け殻。
ポッドキャスト配信者によると、どうやらズートピアでは何十年も前に起きたヘビによる襲撃事件をきっかけに、以降すべてのヘビが姿を消したのだと言い、その事件のきっかけはかつてズートピアの”ウェザーウォール”を発明した「リンクスリーの日記」をヘビが奪おうとしたことなのだと語ります。
そしてテレビのニュースから、今夜リンクスリー家によるツンドラタウンの拡張工事開始を祝うパーティがあり、そこで「リンクスリーの日記」を展示するということと、その場に密輸業者が利用していたのと同じケータリング車が映っていることに気が付きます。
その事実を知り、真相を追求すべく、禁止された捜査を独自にでも進めたいジュディ。
一方ニックはボゴ署長に謹慎を言い渡されていることから参加を渋りますが、ジュディに押し切られて、”ちょっと様子を見るだけなら”と一緒にパーティの場に出向くのでした。
前作ズートピアではなし崩し的に”バディ”として事件解決にあたったニックとジュディですが、言われてみれば生い立ちから性格・タイプまで想像以上に”違い”があるのだ、と思わせられるシーンが続きます。
例えば、バディセラピー受講後、ジュディは前向きにパートナーとの関係を改善すべく本を読み漁り、ニックにもそれを読むよう進めますが、ニックはそんな外聞などどこ吹く風。
それぞれが帰宅する家も、帰宅後の行動も、ジュディは綺麗に片付いた部屋で引き続き本を読みつつヘビに関する手がかりを集めているのに対し、ニックはもので溢れ散らかったジムの下の穴蔵のような家で動画鑑賞に励む始末。
よくよく考えればこの”違い”があるのは当たり前なのですが、今更ながら”そう言えばこんなに二人は違う存在なんだな”と思わせられましたね。
ヘビの抜け殻から繋がった情報を基に、ツンドラタウンのパーティ会場へと向かったニックとジュディ。
駐車違反取り締まりの衣装を用いて目立たぬよう潜入を試みる姿に、ニヤッとしてしまいました。笑
リンクスリー家のパーティに潜入
ツンドラタウンのリンクスリー家のパーティ会場に到着した二人。
パーティと言う場で浮かないよう、あらかじめ用意した正装に着替え、いざ会場内に潜入します。
いよいよパーティが盛り上がり、リンクスリーによる挨拶が行われようとしたその瞬間、頭上からヘビが現れ、リンクスリー家の長とリンクスリーの日記をその場から奪い、逃走を図ります。
すぐさま追跡するニックとジュディ。
いよいよヘビを追い詰めた、と思ったその時、ヘビの口から思いもよらないセリフが飛び出すのでした。
この日記は僕の家を探すために必要なんだ
リンクスリー家は秘密を隠している
ヘビの行動には深いわけがあるかもしれない。
そのことを知ったニックとジュディは、一転、秘密を知られたとしてリンクスリー家に命を狙われます。
その場にボゴ署長をはじめとしたZPAメンバーも到着。
揉み合いの末、ニック・ジュディはその場からリンクスリーの日記を持ち出して、逃げ出すことに成功するも、ヘビはどこからとも無く現れたバイクの人物に連れ去られ、ニックとジュディはミスター・ビッグのリムジンのトランクでこちらも連れ去られてしまうのでした。
ズートピアの”敵”として見られていたヘビには、実は隠されている秘密があるかもしれない…。
ついさっきまで温厚にニコニコ笑っていたリンクスリーが豹変する様も見どころでしたね。
②お尋ね者ニック&ジュディとヘビの謎
フルー・フルーの伝手とニブルスとの出会い
リンクスリー家の怒りを買い、あわやボゴ署長も命を落としかけ、一晩にしてお尋ね者となってしまったニックとジュディ。
その頃二人はミスター・ビッグに連れられ、ミスター・ビッグの娘であるフルー・フルーが運営する衣装工場に来ていました。
ミスター・ビッグ曰く、「リンクスリー家に睨まれたら命が危ない」とのこと。
彼がジュディに感じている恩をもとに、二人に新しい氏名と着替えを用意し、逃走手段も用意してくれていたのでした。
これに対し、その恩義をありがたく受け取って今すぐにでも逃走したいニックと、ヘビの行方を追ってリンクスリーの日記の謎を解き明かそうとするジュディ。またしても大きく意見が割れました。
結局ニックがジュディに押し切られる形でヘビの捜索を続けることを了承。
日記の謎の手がかりとして、爬虫類と仲の良いニブルスという配信者ー、そうジュディがかつて見ていた陰謀論を語るポッドキャストの配信者をフルー・フルーに紹介してもらうことになるのでした。
リンクスリー家、そんなに裏の世界では”やばい”存在だったのか…。
前作で味方してくれたミスター・ビッグが再登場して手を差し伸べてくれるのは嬉しいですね!
フルー・フルーの娘に大して甘々なミスター・ビッグとフルー・フルーの様子も微笑ましいです。笑
ここでも意見が真っ二つに割れつつも、最終的にはジュディと行動をともにしてくれるニック。偉いぞ…。
前作の登場人物の”その後”について語ってくれるのは、続編ならではの嬉しいところですね!
それにしてもフルー・フルーの娘、成長早いな…。
マーシュ・マーケットと爬虫類の世界
ニブルスによって連れて行かれたのは、ズートピアの片隅にある”マーシュ・マーケット”。
ここは海の哺乳類たちが住むエリアで、完璧に整備されたズートピアの他のエリアとは異なり、住人たちが手作りで自らの居心地が良いように作られたような、風情のある雰囲気のある場所。
リンクスリーが計画しているツンドラタウン拡張工事が進むと、このマーシュ・マーケットもツンドラタウンの一部になってしまい、海の哺乳類たちは住処を無くしてしまう、とのことでした。
ニックとジュディは、そこで初めて出会う海の哺乳類たちならではの風習の洗礼を受けつつ、爬虫類たちが身を寄せるという船へと進みます。
出会ったのは、グリーンバジリスクのヘイスース。
ここでも爬虫類ならではの風習の洗礼を受けつつも、「リンクスリーの日記の表紙に秘密がある」という重要な手がかりを得るのでした。
そこに現れたのは、二人が追跡していたヘビ、そして二人を追跡するZPA。
追うもの・追われるものが入り乱れつつ、マーシュ・マーケットを舞台とした派手な追跡撃が展開されます。
最終的にリンクスリーの日記を持ったヘビは、水生生物が移動するためのチューブに逃げ込み、ジュディは躊躇いなくそれを追って飛び込んでいきます。
ニブルスの「赤いチューブは陸の哺乳類は息が続かないから無理だ」という忠告を聞いていたニックは、そんなジュディの後を追いつつ、あわやというところでジュディを確保し緊急脱出口から脱出。
なんとかジュディの命を助けたニックでしたが、逆にジュディからは「ヘビを逃がしてしまった」と謝罪を要求されるのでした。
今作で初登場のマーシュ・マーケット!
どことなくアジアの水上都市のような雰囲気が漂い、”ここにしか無い世界観”が独自で築かれているのがよく分かります。面白いなあ、この街!
ハネムーンロッジとバディの分裂
ヘビに関する手がかりが失われたかと思いきや、緊急脱出口にはヘビが持っていたポーチが引っかかっていました。
中を見てみると、見慣れないロゴのマッチ箱が。
偶然そこを通りかかったヤギの登山者に、「山の上にハネムーンロッジがある」ということを聞き、マッチ棒に描かれているロゴがハネムーンロッジのロゴであること、そしてハネムーンロッジはかつてヘビの隠れ家として利用されていたことが判明します。
再び手がかりを見つけて意気揚々と山登りを始めるジュディ。
一方のニックは、あまりにも自らの危険を顧みずにどんどん前に進んでいくジュディに呆れ、かつてバディの証としてジュディから贈られた”ニンジンペン”を用いてジュディをからかいます。
これにはジュディも立腹。ニンジンペンを奪おうともみ合った結果、ペンは二人の手をすり抜け、真っ逆さまに落下。ボロボロに壊れてしまうのでした。
憤然としつつも何とか山を登りきった二人。
ジュディが先行し、ニックが後を追うという形で、ハネムーンロッジの捜索を始めます。
そこにあったのは、「かつてヘビの住処が今のツンドラタウンのどこかにあったこと」を示す証拠たち。おそらくあの逃げているヘビが集めていたものなのでしょう。
何とか証拠を集めてZPAに持ち帰ろうとするジュディですが、そこにZPAからの追手が迫る。
それでも諦めずに「世界をより良くしなくては」とギリギリまで証拠を集めるジュディに対し、ニックは今すぐに逃げることを強く言います。
「この事件の真相は、命をかけるほどのものではない。そんなことより早く逃げよう。」と。
どんな危険も顧みず、”世界をより良くする”という目的のために一直線に走り続けるジュディ。
そんなジュディを心配し、命の危険がある真相を追求するよりは、ジュディの安全を優先したいニック。
その歯車の噛み合わなさがこのシーンではっきりと露呈し、ついにジュディはこんなセリフを口にするのでした。
「私たち、合わないのかもしれない」と。
そしてハネムーンロッジをZPAが襲撃。
古い施設が崩れる混乱の最中、麻酔銃を打ち込まれてしまったジュディは危ないところでヘビとそのヘビを連れていたバイクの人物により救出されます。
一方ニックは逃げ遅れ、ZPAに捕まってしまうのでした。
どんなにお互いを思っていても、その二人の”違い”が目に見えるようになり、すれ違い、どうしようもないところまで来てしまう事がある。日々生きている中でも身に覚えのあることで、ぐーっと胸が締め付けられます。
離れ離れのニックとジュディ
ジュディを救出したヘビは、自らをゲイリーと名乗り、バイクの人物はリンクスリー一族のパウバートであることが明かされます。
どうやらパウバートは、リンクスリーの日記の展示が決まった際にゲイリーから連絡を受け、事情を聞いて協力することを決めたのだとか。
3人はそのままパウバートの隠れ家である砂丘の中のテントへ向かい、リンクスリーの日記に向き合います。
リンクスリーの日記の秘密。それは、かつてリンクスリー家が発明したとされている”ウェザーウォール”が、実はゲイリーの祖母が発明したものである、ということ。
リンクスリーはその手柄を横取りすべく、ゲイリーの祖母を殺害事件の犯人にでっち上げ、ヘビをズートピア中から追い出し、その故郷をツンドラタウンの雪に埋めてしまっていたのでした。
リンクスリーの日記は、そんなヘビのかつての故郷の場所を示すもの。
熱感知ができる毒蛇だけがその表紙に隠されたメッセージを読み解くことができるのです。
こうして見事リンクスリーの日記の謎、そしてゲイリーのかつての故郷の場所を読み解いた三人。
ゲイリーの故郷の家にはまだウェザーウォールの正しい特許証ー”ゲイリーの祖母の名前が記された特許証”が残されていることと、その家には大きな灯台があることから、古いウェザーウォール内のコントロール室を操作しその灯台に明かりを灯すことを計画します。
一方ニックはリンクスリーの秘密を知ったとして問答無用で警察署に収監。
ジュディの身が危険なことからすぐに逃げ出そうとするも、彼一人の力では叶わず。
そこで力を貸したのは、マーシュ・マーケットへと導いてくれたニブルスでした。
ニブルスはビーバーとしての特性を活かし、あっさり鍵を作成。見事二人は牢を脱出するも、その間に収監されている受刑者たちも含めて全員脱獄させてしまい、車を奪われてしまうことに。
一刻も早くジュディを救いに行くためニックが取った方法は、ズートピア一の走り屋である、ナマケモノのフラッシュの力を借りることでした。
ついにヘビの正体とその秘密、目的が明かされ、目的が明確に!リンクスリーさん、想像以上にヤバい陰謀を行っていました…。
そしてフラッシュ、再登場!!めちゃめちゃ車は早いのに、相変わらずすべての動作はゆっくりでニヤニヤしちゃいます。笑
③ゲイリーの故郷探しと事件の真相
”日記”から掴んだ手がかりを基にコントロール室へ
掴んだ手がかりを基に、古いウェザーウォールのコントロール室へと向かうジュディ・ゲイリー・パウバート。
そんなジュディを追い、クロウハウザーの力も借りつつ同じくウェザーウォールを目指すニック・ニブルス。
パウバートの携帯端末から位置情報を割り出し、引き続き追跡を続けるZPD。
ウェザーウォールの目の前でジュディたちはZPDに追いつかれ、あわや実弾を打ち込まれそうになりますが、間一髪のところでフラッシュの運転する車が登場。
何とか事なきを得て、一同はウェザーウォールの中へと進んでいきます。
ジュディ・ゲイリー・パウバートはついにコントロール室に到着。
電源を流し、ゲイリーの故郷の灯台に光を灯すことに成功するのでした。
さあこれでゲイリーの故郷に近づいた!あとは特許証を手に入れるだけ…、とホッとしたのもつかの間。事態は急展開を迎えます。
バタバタしながらも、なんだかんだで協力してくれるクロウハウザー、可愛い。笑
裏切り
特許証を手に入れるべく出発しようとしたのもつかの間。
いきなりパウバートが手に持っていたヘビの毒をジュディに打ち込み、ゲイリーを苦手な雪の上に放り出し、不敵に笑うのでした。
そう、パウバートは最初からゲイリーに協力するつもりはなかった。
家族の中で爪弾きものになっていることから、ゲイリーの祖母の特許証を手に入れ、それを永久に破壊することで家族に認めてもらうために、ゲイリーに協力するふりをしていたのです。
今やゲイリーの故郷の場所が分かった。
パウバートは邪魔なジュディ、そして彼女を助けようとするニブルス、ニックを蛇の毒で排除し、一人特許証を探しに行こうとします。
毒で動けなくなってしまったジュディ。ゲイリーは持てる力を振り絞ってジュディの体温を借り、何とか復活。
ところがその隙にパウバートはニブルスにも毒を打ち込み、次はニックに狙いを定めていました。
揉み合いながらも「ジュディは死んだ」とパウバートに告げられて動揺するニック。
そこにゲイリーから「ジュディはまだ生きてる、解毒剤さえあれば助かる」と声をかけられ、何とか解毒剤をゲイリーに受け渡すことに成功。
息を吹き返したジュディはすぐさまニックを助けに行き、間一髪のところで落下を防ぐことに成功するのでした。
パウバート、お前裏切り者だったのかー!!
家族とうまく行っていない、というところからゲイリーに協力する…という動機が自然だったが故に、やっぱり家族の柵ってこんなに絡みついているものだったのか…と愕然とするシーンでした。
前作も意外な人物が黒幕でしたが、今作でも見事にしてやられました。
「前回は意外な人物が黒幕だったからドキッとした」というジュディのセリフの直後にパウバートが手のひらを返す…という流れもお見事でしたね。
何とかニックとジュディが無事で良かった!
良いバディとは何か
こうしてお互いの命を救い、再び顔を合わせたニックとジュディ。
ニックはジュディに、ジュディはニックに。
それぞれの心の内を赤裸々に明かします。
ニックは、ジュディのことがこの世の何よりも大切で、失いたくなくて。
なのに自らの危険を顧みずにどんどん飛び込んでいくジュディのことが心配で。
ニックにとっては、事件の真相を解き明かすことよりも、ズートピアをより良くすることよりも、何よりもジュディが無事で自分のそばにいて欲しいのだ、と。その思いが強すぎるが故に、ジュディの行動を縛ってしまった。
口下手で不器用であるが故に、その思いをジュディに伝えることが無かった。
ジュディは、幼い頃のヒーロー願望を拗らせて、強すぎる正義感を持て余してどんどん危険に飛び込んでしまう自覚がある。
でも、ジュディにとっても何よりも大切なのは、ニックなのだ、と。
ジュディもそれをニックに直接伝えることができていなかった。
二人がツンドラタウンの光を受けながら、お互いの胸の内を明かして、その絆を確認するこのシーンがあまりにも美してくって…。
バディがバディであるために必要なのは、いつでも息がぴったり合うことでも、意見やタイプが同じことでもない。
結局はお互いがお互いを思う心が何よりも大切なのだ、とニックとジュディは教えてくれるのでした。
このシーンの美しさ、ニックとジュディの心情に胸が締め付けられ、思わず涙してしまいました…。
事件の結末
再びバディとしての絆を確認したニックとジュディ、そして新たに仲間に加わったニブルスと、事件の当事者であるゲイリー。
4人はチームを組み、逃げ出したパウバートを追跡。
リンクスリーの圧力に屈していたウィンドダンサー市長の正義心も取り戻させ、何とかパウバートとリンクスリー一家の動きを封じることに成功します。
そしてついに、ツンドラタウンの深い雪の中に眠る、ゲイリーの故郷を発見。
かつての家はそのままの姿で雪の中に残されており、そこには確かに蛇たちが生きた証があった。
そして家の奥の宝箱の中に、求めるゲイリーの祖母の特許証を見つけるのでした。
こうして事件は無事解決!
ズートピアの成り立ちに関わる大きな陰謀を暴き、ゲイリーの故郷を取り戻し、マーシュ・マーケットをも救ったニックとジュディのバディは再びズートピア中を驚かせるのでした。
ラストシーンではニックとジュディが脱獄したベルウェザーを再び逮捕しに行くシーンで飾られます。
エンドロールでは前作を彷彿とさせるように、「♪Zoo」の曲にのせ、皆がガゼルのライブを楽しんでいる様子が描かれます。
登場キャラクターも増え、見事な大団円でした!
総合的な感想
前作『ズートピア』に続く正当な続編として、そして一つの作品として非常によくできたとーっても面白い映画でしたねー!!楽しかった!!
前作で登場した登場人物が再登場し、新たな魅力的な(癖のある)登場人物もたくさん登場!
真相を追う謎解き的な展開あり、くすっとできる笑いどころあり、胸を締め付けられジーンとしみるシーンありと、盛りだくさんの作品でした☺️
前作に引き続き、華やかで綺麗なズートピアの裏にある”現実”を正面から描くようなテイストは残っており、今回の陰謀もなかなかのものでしたね。
3世代にも渡って一つの種を追い詰め、挙げ句新たに海の哺乳類たちの生活をも脅かそうとする実力者であるリンクスリー一家。
たった一家の野望により、ズートピア中から”ヘビ”という一つの種を完全に追い出してしまう…というかなりえげつないお話ですよこれ。
世の中、野望と人望とお金を兼ね備えた人物ほど怖いものは無いな…と改めて思わされる物語でしたね。
”違い”を認める物語
そして今作『ズートピア2』は大きく言うと、互いの”違い”を認める物語だったな、と思います。
前作での経験を経て、物語の冒頭でジュディは言います。
「ズートピアでは多種多様な動物たちが生活しているけれど、よく知り合ってみればお互いの間にそれほど違いはない」のだと。
ところが、その実”違い”は確かにあるのです。
陸の哺乳類と海の哺乳類とでは生きている世界の違いから、大切にしている風習が異なります。
アザラシとアシカを間違われたら怒り狂いますし、お金のチップより魚が大事。
コミュニケーションも普通に会話するのではなく、定型の会話が必要。
爬虫類たちも、自らのプライドにかけて、勧めた料理を断られるのを嫌います。
そして、前作で”お互いの間にそれほど違いはない”と知り合ったニックとジュディでさえも。
その二人の考え方には当然大きな”違い”があって、それ故に歯車が噛み合わなくなっていくのが今回の物語でした。
お互いの間にさほど違いはない。だからお互いうまくやっていける。
それはそれで正しい考え方だと思いますし、そう考えるのも良いとは思います。
でも、それが「違いなんて無い」と完全に目を背けて、臭いものに蓋をした結果導き出されたのであれば、それは間違っていて。
お互いに違いがあることを知り、理解し、認める。
『ズートピア2』では、面倒でも必ずその過程が必要なんだということを、作品を通し一貫して伝えてくれていました。
そのうえで、良いバディに必要なことは、結局はお互いを思う心なのだ、という結論に帰着しているのが本当に良いんです…!
お互いの意見が噛み合わず、考え方が根本から違う!と思うことがあっても、それは二人の関係のほんの一部分でしか無いんですよね。
でも、噛み合わなかったその瞬間は、それが全てに見えてしまう。そのことを以て、何もかもを否定したくなってしまう。
そこで離れていくのならばそれだけの関係だった、ということですし、それでも絆を確認できるのは、やはりお互いを思う心があってこそ。
ニックとジュディがそのことを確かめ合い、絆を確認するシーンで思わず涙がこぼれてしまったのは、お互いを思う心がそれほど強かったのだということを真正面から見せつけてくれたからに他なりません。
とっても良かった…!
続編への示唆?
ラストシーン、ジュディがニックの声が吹き込まれたニンジンペンの音声を聞いてニヤニヤし(可愛い)、お部屋を出た後に、ニンジンペンが飾られた窓際に一枚の羽が落ちてきます。
映画としてはここで終了で、これ以上何も無いのですが、もしかすると『ズートピア3』への示唆なのかもしれません…。
そう言えば今作ではヘビをメインに”爬虫類”の扱いについて描かれましたが、動物という括りの中には”鳥類”も存在するはず。
もし『ズートピア3』が描かれるのであれば、今度は鳥類の物語になるのかもしれませんね…!
まとめ
今回の記事では、映画『ズートピア2』について、ネタバレ感想をお届けしました。
- 前作ラスト直後から物語が始まる、ジュディ&ニックの“正当続編”
- ズートピアからヘビが姿を消した理由=リンクスリー家の陰謀と、ゲイリー一家の悲しい過去が明かされる
- 新エリア「マーシュ・マーケット」など、海の哺乳類&爬虫類の文化が描かれ、世界観が一気に広がる
- ジュディとニックの“違い”がすれ違いを生み、それでもお互いを思う心で乗り越えていくバディ物語が非常に良い
- 一家の野望が1つの種を追い詰めていく、ちょっとえげつない社会派テーマもしっかり健在
- ラストはゲイリーの故郷と本当の特許証を取り戻し、ズートピアの歴史を書き換える大団円!
- エンドロールまで前作ファンへのご褒美がぎゅっと詰まっていて、シリーズ好きほどニヤニヤできる一本
『ズートピア2』は、前作で描かれた“多様性”のテーマをさらに一歩進めて、「お互いの“違い”をちゃんと認め合うこと」の大切さを見せてくれる作品でした。
前作が好きな方ほど、ジュディとニックの関係性や、ヘビのゲイリーの物語にぐっと来るはず…!
前作にがっつりハマった身としては、「ここまで続編を作り込んでくれてありがとう…」という気持ちでいっぱいです。
ぜひ劇場で体感してみてください〜!
前作『ズートピア』のネタバレ感想&ストーリー解説はこちら!
BeePlus【びーぷらす】では、他にもディズニー作品の解説、ネタバレ感想&考察を行っているため、合わせてチェックしてみてください!
また、ディズニー長編アニメーション映画一覧については以下記事にまとめています。
「ディズニーアニメって他に何があるの?」「いまどれくらい見たことがあるんだろう?」とお悩みの方は、ぜひこちらも見てみてください。



