ディズニーピクサー『2分の1の魔法』のネタバレあらすじと感想!兄弟・姉妹を持つ全世代の人にダイレクトに刺さる感動映画でした

こんにちは、yu-です。

 

2021年5月21日、ついに昨年9月に日本で公開されたピクサー作品『2分の1の魔法』がディズニープラスにて配信開始されました。

 

実は不覚にもこの映画は、劇場公開の段階で見逃してしまった作品。

ディズニーあるあるの”字幕上映劇場極小減少”により、気がつけば公開を終了したという大失態。←

そのため、ディズニープラスに上陸してくる日を今か今かと待ち望んでいたのですが、ようやく来ましたね!!

 

そんな満を持して鑑賞した『2分の1の魔法』ですが、今回の記事で私がお伝えしたいのは、

「兄弟・姉妹を持つ人は全員見ろ!」

ということ。

 

『2分の1の魔法』は兄弟・姉妹を持つ人に、もうダイレクトに、ズドンッッと刺さる感動映画でした。

 

「どうせこういう物語だろう」と想像していた結末とは異なる、意外なその結末に軽率にやられてしまいましたね。

完全に侮っていました。すみません。

 

今回の記事ではその理由を物語のネタバレ込みで語っていきたいと思います。

 

 

作品情報

 

公開年 2029年
上映時間 103分
原題 Onward
スタッフ 監督:ダン・スキャンロン

製作:コーリー・レイ

おすすめ度

 

あらすじ

 

はるか昔、世界は魔法に満ちていたが、時の流れと共に魔法は忘れられていった。

 

”魔法が消えかけた世界”に住む、家族思いで優しいが、なにをやってもうまくいかない少年イアン。

彼には、彼自身も知らなかった隠れた魔法の才能があった。

そんなイアンの願いは、自分が生まれる前に亡くなってしまった父親に一目会うこと。

 

16歳の誕生日に、亡き父が母に託した魔法の杖とともに、「父を24時間だけよみがえらせる魔法」を書かれた手紙を手にしたイアンは、早速その魔法を試したものの失敗。

父を半分だけの姿で復活させてしまう。

 

父親を完全に復活させるためには、魔法が解ける24時間以内に”不死鳥の石”が必要だ。

イアンは好奇心旺盛な兄バーリーとともに、父を完全によみがえらせる魔法を探す旅に出るのであった……。

 

【ネタバレ感想】どうして感動的?その理由を解説します

 

ではここからは物語の流れに沿って、『2分の1の魔法』について解説していきます。

 

①魔法の杖と下半身だけの父親

 

16歳の誕生日に、イアンは今は亡き会うことが叶わなかった父が残した魔法の杖を受け取る。

父が杖と共に残した手紙を読むと、”魔法を用いれば24時間だけ父親が復活する”ことが発覚。

イアンが呪文の言葉を口にすると杖が発動、父親が姿を現し始めるもの、魔法は途中で止まってしまい、呪文は失敗してしまう。

父親は下半身だけの姿となってしまった。

 

父親を完全に復活させるためには、魔法が解ける24時間以内に、復活に必要な”不死鳥の石”を手に入れる必要がある。

こうしてイアンとバーリーは父親に会うべく、冒険を始めるのであった…。

 

 

内気なイアンと陽気なバーリーの対比

作品のこの序盤の部分では、主にイアンとバーリーの性格が描かれています。

 

イアン

弟・イアンはもう超がつくほどの内気な性格

 

”今日やること”をわざわざリスト化して一つずつチェックしてみたり。

誕生日パーティに友達を誘う文言を手のひらに下書きしてみたり。

そうやって勇気を振り絞って声をかけるも、変わり者の兄の姿に勢いを削がれて誘うのをやめてしまったり。

挙句の果てに、「僕は何をやってもうまく行かない……」と落ち込む始末です。なんてやつだ。

 

…とはいったものの、彼の考えてること、結構わかっちゃったりします。笑

周りから見たらしょーもない失敗を、自分の中でだけずーっとくよくよくよくよ考えて勝手に落ち込んで、というのは経験ある人は多いんじゃないかと信じていますよ私は。←

 

 

バーリー

一方兄のバーリーは対象的に超がつくほど陽気な性格。

 

”魔法オタク”として、かつてこの世界に存在していたという魔法を崇拝し、歴史をもとに作成された!という魔法関連のゲームを心から愛する、完全なる変わり者。

その上恐れ知らずな性格を持ち、愛車を乗り回して日々を過ごしています。

 

 

この通り、まるで正反対の兄弟の姿が存分に描かれる序盤

 

個人的な話をぶっこむと、世の中にはよく似ている性格の兄弟・姉妹の方もいるかと思いますが、私の場合は大違い。

それこそイアンとバーリーのようにまるで正反対の性格を持ち合わせています。不思議ですよねえ、血のつながった姉妹なのに。

 

なので、イアンとバーリーのこの正反対っぷりは、妹を持つ身としてはこの辺めちゃめちゃ共感できます。

 

うーん、この違う感じわかるな~、と思いながら見ていました。

 

呪文失敗のシチュエーションに注目

さて、イアンは本人さえも知らなかった魔法の才能を開花させるわけですが、その魔法は残念ながら失敗。

 

ここで注目すべきはそのシチュエーション

 

イアンはその魔法の杖のパワーに押されそうになり、バーリーが助けに行こうとするも、その助けを拒む。

その結果不死鳥の石は割れ、父親は下半身だけの姿になってしまうのです。

 

このシーンがラストにものすごく意味を持ってきます…!

 

②イアンとバーリーの冒険

 

”不死鳥の石”を求めて、イアン・バーリー、そして下半身だけの父親はバーリーの愛車である「グウィネヴィア」に乗って冒険に出る。

魔法オタクのバーリーの助言に従い、マンティコアの酒場を訪れたり、魔法の手ほどきを受けたり、”恐ろしの道”へと分け入っていく。

その冒険の中で、始めは兄を信用していなかったイアンは、次第にバーリーに対して信頼を寄せていくのであった…。

 

グウィネヴィアって?

完全に余談ですが、このめちゃめちゃ言いにくく覚えにくい愛車の名前について調べてみたところ、グウィネヴィアとは伝説的な人物で、アーサー王の王妃の名前だったそうです。
その伝説的なエピソードの数々から、古今東西…というより主に日本ですが、ゲームやアニメのキャラクターの名前としても登場することのある固有名詞です。

 

兄弟仲の物語

この中盤の冒険シーンは、イアンとバーリーの独壇場。

彼らが様々な困難に直面しつつも乗り越えていく姿が描かれていきます。

 

ここでふと気がつくのが、イアンとバーリーの関係。

 

イアンがどんな困難に直面したときも、いつもバーリーはイアンを信じ、イアンの行動を応援する。

一方イアンはバーリーを頼りつつも、バーリーの判断を信じず反抗する場面もしばしば。

 

このお互いがお互いに感じている微妙な関係の差、というやつが見ていて歯がゆく、でも自分の姿に重なって見えてきてしまうシーンでもあります。

 

③冒険の結末

 

ついにイアンとバーリーは地図が指し示す”不死鳥の石”の在り処にたどり着く。

ところが、たどり着いた場所はイアンの通う学校の目の前だった。

時刻はもう夕方、魔法が解けるまでにはもう数時間の猶予も残されていない。

 

父親に会うことができなかったと絶望したイアンは、下半身だけの父親を連れバーリーの前から姿を消してしまうのであった…。

 

イアンが気がついたことは…

さて、絶望し下半身だけの父親と2人で最後の時間を過ごそうとするイアン。

手帳に記した、「父親とやりたいこと」のページに目をやって、何一つできなかったと線で消していく姿は、胸が締め付けられますね…。

 

ところが、そこでイアンは気がつく。

 

「運転の練習」は、バーリーに無理やりやらされた。でも、結局それがきっかけでできるようになった。

「キャッチボールする」は、バーリーと”浮かべ エレヴァー”を練習したときにできている。

「一緒に笑う」こと、これはこの冒険の途中父親とダンスしたときにたくさん笑った。

 

そして、「人生を分かち合う」ことも。

 

バーリー「ためらうな、お前ならできる。」

 

イアンが父親とやりたかったことの全ては、バーリーとともにやってきたことだった。

イアンには、いつもバーリーがいた。

 

 

このシーンの描き方がもう本当に素晴らしくて。

音楽と、映像と、表情でイアンの心の内を描いていくのです。

 

…泣きましたよもう。泣いちゃいましたよ。

 

イアンがバーリーに対して寄せる思いと、バーリーがイアンに寄せる思い。

そのどちらも暖かくって、素敵で、ああああ良いなああっっっと心から思わされました。。

 

ちなみにこの一番大切なシーンを、セリフ無しで描くこの感じは、後の12月公開の『ソウルフルワールド』の山場と全く同じ描き方。
非常に心にぶっ刺さるうまい描き方ですね…。

 

 

④戦いと決着

 

一方バーリーは”不死鳥の石”を諦めていなかった。

絶対にここにあるはずだと、どれだけ周囲に止められても探し続けた。

 

そしてついに不死鳥の石を見つける。

ところが石を手にした瞬間、呪いが溢れ巨大なドラゴンの姿となりバーリーを襲うのであった…。

 

『2分の1の魔法』のもう一つの意味は

ドラゴンを2人の母とマンティコアが懸命に止める中、イアンは不死鳥の石を手に再び呪文を唱える。

ところが先日同様、その杖のパワーに押されそうになってしまう。

 

まるでデジャヴのようなシーン、イアンが魔法に押される状況の再来です。

 

すわ再び失敗してしまうのかと思われたその時、イアンはバーリーの名を呼びます。

呼ばれたバーリーはすかさずイアンに手を差し伸べる。

 

そして、2人がお互いにお互いを信じ、2人の力をあわせたことにより魔法は完成。父親の復活が成功するのでした。

 

そう、これこそが『2分の1の魔法』のもう一つの意味なのではないでしょうか?

復活の魔法は、一人の力ではあくまで2分の1。

イアンとバーリーの2人の力が合わさって、晴れて成功する魔法である…ということです。

 

これも含めて父親は2人の息子たちにこの魔法を残したのかもしれない…、というのは深読みしすぎかもしれないですね。笑

 

でもなんにせよ、序盤の呪文失敗シーンと対を為す、綺麗に伏線を回収したシーンでしたね!

 

イアンの選んだ道

さて、晴れて父親が復活して、再開できてめでたしめでたし…かと思いきや、そう簡単に物事は運ばない。

呪いから生まれたドラゴンを抑えていた母親とマンティコアがやられ、イアンとバーリーのもとへ迫ってきたのだった。

 

父親の復活はまだ完了していない。

そこでイアンは一大決心をするのです。

 

僕は守ってもらえた。
絶対できるっていつも励ましてくれた。
父さんはいなくても、いつも兄さんがいた。

 

そう言って彼は、バーリーとともに身につけた魔法の数々を駆使して、ドラゴンを止めるのでした。

 

最終的にイアンはドラゴンを抑えるも、太陽は沈みます。

父親は復活を遂げ、バーリーと話し、そして姿を消すのでした。

 

それを遠目から見ていたイアン。

そんな彼の心中は、その思いはいかばかりかと思うと、更に泣けてきてしまいます。

 

お互いがお互いを想うこと。

お互いがお互いを信じること。

 

それがどれほどの力を生むのか?ということをこれでもか!と言う程見せつけてくれました。

 

私ももっと…、と行き方を見直させるには十分すぎるほど、ダイレクトに刺さる物語でしたね…。
こういうメッセージ性が、これぞディズニー映画!というべきでしょう。

 

 

【まとめ】

 

今回の記事では、ディズニーピクサー作品より『2分の1の魔法』のネタバレ感想をお届けしました。

 

今回の記事では主に兄弟・姉妹を持つ人立場として感想を書いてきましたが、この作品ほかにもメッセージ性が多いんですよね。

何をやってもうまく行かない!と感じる子を持つ親の接し方であったり。

再婚した相手の連れ子に対する接し方であったり。

なにより、子を残して先立つものの思いの残し方であったり。

 

いずれ私自身の立場が変わったときに見返すと、きっともっ刺さるものがあるんだろうな…、と感じさせてくれる作品でした。

 

子ども向けのアニメだと思ってみると、思わぬダメージを喰らいますね。笑

この辺りはもう流石、としか言いようがありません。

 

映画館で一度見た!という方も、是非もう一度ディズニープラスで楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

 

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